「もう今さら離婚したいなんて思わない」70代の母が選んだ、夫を変えずに自分の時間を取り戻す生き方

2026.10.10 LIFE

「酒を飲んで暴れ、家族を殴る父」という強烈な「比較対象」

お母さまには、幼い頃に受けた父親からのDVという比較対象がありました。子どもの頃の父親は、殴った。でも、夫は殴らない。子どもの頃の父親は、酒を飲んで暴れた。でも、夫はそんなことをしない。だから、夫の舌打ちに怯えていても、毎日のように夫の機嫌を気にしていても、「この人は優しい人」という認識が、なかなか変わらなかったのです。

 

何十年もそんな生活を続けるうちに、「お父さんはこういう人だから」「夫婦なんて、こんなもの」「私が我慢すればいい」そう考えることが、いつの間にか日常になっていきました。そして、自分が我慢していることさえ、わからなくなってしまったのです。

 

Mさんは、お母さまに「サイレントモラハラ」について説明しました。
「お父さんは、お母さんを殴らなかった。でも、お母さんはずっとお父さんの機嫌を気にしてきたでしょう。それもモラハラなんだよ」

 

そう聞いても、お母さまは最初、自分がモラハラの被害を受けていたとは思えなかったそうです。何十年も「これが普通」と思って生きてきたのですから、70代になって突然「あなたはずっと我慢していたんですよ」と言われても、すぐに受け入れられるものではありません。

 

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