「もう今さら離婚したいなんて思わない」70代の母が選んだ、夫を変えずに自分の時間を取り戻す生き方

2026.10.10 LIFE

田舎から上京してきた両親の姿を見て

「あるとき、両親が上京したんです。そのとき、疲れて不機嫌になった父が、母に舌打ちをしたり、無言で睨んだりする様子を目の当たりにしました。それで、ああ、やっぱりお母さんはサイレントモラハラの被害を受けてきたんだ……と改めて感じましたね」

 

Mさんは「ああいう態度も、モラハラなんだよ」と説明しましたが、お母さまは、

「もう今さら、離婚したいなんて考えもしないよ」

と言ったそうです。

 

何十年も続いてきた夫婦の形を、今さら大きく変えようとは思っていないお母さま。

「だから私も、離婚を勧めることはしていません。私にできることは、母の愚痴を聞くことです」

Mさんは、そう話します。父親への愚痴が始まったときには、

「それは嫌だったよね」
「お母さん、よくやってきたね」

と、まず気持ちを受け止めるようにしています。

 

それだけで、お母さまは、

「Mちゃんがわかってくれてうれしい」

と、晴れやかな表情になるそうです。

 

お母さまは何十年もの間、自分が嫌だと思ったことさえ、
「これくらい普通」
「妻なんだから仕方がない」

と、自分で打ち消してきました。だから今、娘から、

「嫌だったと思っていいんだよ」
「お母さんが我慢してきたことは、当たり前じゃなかったんだよ」

と受け止めてもらう。それだけでも、長い間心の中にたまってきたものは、少しずつ軽くなっていくのだと思います。

 

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