オオゴショと言うとオオゴトに!?女性に「大御所」を使うと…
演歌の世界では、北島三郎さんや五木ひろしさんら、お笑い界では、ビートたけしさんや明石家さんまさんらが「大御所」と呼ばれる人達。この言葉の使い方に異論を唱える人は少数派でしょう。
でも、「大御所」の本当の意味を知ると、そう気軽に使えなくなってしまいます。特に女性の先輩には、場合によって失礼な言い方になる「大御所」について、今日はお話しします。
「大御所」の「御所」とは、天皇の住まいのこと
私たちが「大先輩」の意味で使う、「大御所」ですが、厳密にはどんな定義があるのでしょう。
「御所」とは天皇の住居のこと。その奥の「大御所」は隠居した親王の住まいを指します。武家の時代に、そこに住む隠居した将軍そのものも「大御所」と言うようになったのです。
昭和になり、「ある分野でその道の大家として権威を持っている人」という意味で使われ始めます。特に「政界を引退してからも隠然たる力を持っている人物」のことを指すようになりました。
「既に引退している人」これが「大御所」のそもそもの定義!!
つまり「大御所」とは「ある分野における長老や権威者、功労者」などを指します。普段私たちがイメージしている意味ですよね。しかし、そもそもの定義として「既に引退している」または「第一線を退いている」ことが元々あったのです。
「第一線を退いてもなお、その世界に力を持っている」これが「大御所」の本来の意味です。
江戸時代では、徳川家康、家斉のことを指しました。政権を実子に譲り、政界から退きながらも、実権を握る家康や家斉。小学校や中学校の社会科で習ったことを少し思い出した方もいるのでは?
言葉を添えて本来の意味から遠ざけることも可能
本来の由来を知っている人達からすると、「大御所」の使い方によっては、失礼にあたる時もあります。うっかり「大御所であられる○○先生」と使い、ご本人に「私はまだ引退しているつもりはありませんが?」と切り替えされたら、適切なお詫びが返せるかどうかは、本来の意味を知っているかどうかにかかっていますよね。
この文章を読んでいる皆さんは安心ですね。
本人に直接言わなければ、一般的な「重鎮」の意味でも使えます。
冒頭の使い方、
「演歌の世界では、北島三郎さんや五木ひろしさんら、お笑い界では、ビートたけしさんや明石家さんまさんらが『大御所』と呼ばれる人達」のように、私は演歌の世界と関わりがないので、そういう人が言うのはセーフですね。発展的な意味合いが強くなります。むしろ現在ではその使い方が主流になっているくらいです。
ただ、自分が後輩の身分で、先輩に対し直接それを言っては失礼にあたります。
「部長はこの分野では既に『大御所』ですから」
「貴社はこの業界では『大御所』であります」
この場合での「大御所」の言い換えには、「最高権威」「第一人者」「最高峰」「オーソリティ」「トップランナー」などの言葉があります。他の言葉で言い換えることで、伝えたい意味をそのままに「大御所」の代わりが用意出来ますね。「大御所」に関わらず、このように悪い意味もちょっと含んで賛否分かれる言葉の場合は、代わりに使える類義語のひとつや二つ、覚えておくととても便利です。
1 2
スポンサーリンク