オトナの一人旅を楽しみ尽くす。新幹線の「グランクラス」に乗ってみました♪
オトナの一人旅、最近では「乗り物」で過ごす時間も目的の一つという声がよく挙がります。中でも人気は新幹線ですが、もはや「移動」ではなく「滞在」になった! そう思えるほどゆったりとくつろげ、ほっとするようなホスピタリティを感じられる新幹線グランクラスの旅。18席限定というファーストクラス級の特別な車両空間で過ごせる時間をレポートします。
そもそもグランクラスってなに?
東北・北海道新幹線(E5系・H5系)、北陸新幹線(E7系・W7系)、上越新幹線(E7系)に連結されている特別車両がグランクラス。グリーン車を飛行機のビジネスクラスに例えると、ファーストクラスに匹敵するプレミアムな席なのです。
スペシャルなのは本革でゆったりとしたプレミアムシートだけではありません。
グランクラスには専任のアテンダントが乗車し、車内で軽食やお飲み物を提供しているサービスがあり、沿線の食材を味わえる軽食や、軽食にあわせた日本酒・ワインも楽しめます。
通常の乗車券、特急券に加え、プラス料金は必要ですが、プライスレスな時を過ごせました。
まずは1車両18席だけの特別な車内空間を味わう
私は、10時36分東京駅発のやまびこ47号で東北へ向かいました。エントランスではグランクラスアテンダントさんが出迎えてくれます。
先頭車両の扉を開くともうそこは別世界。ベージュ系のシックな内観で床はじゅうたん、シートは18席のみです。
座ってみると足がしっかり延ばせるぐらいのゆとりがあり、本革シートが体全体を包み込んでくれます。
車で例えれば、超高級車の乗り心地。昔、マイルをためまくって一度だけJALのファーストクラスにアップグレードした経験があるのですが、それにも負けないラグジュアリー感。こんなセレブ気分になれるとは…!
頭、腰、脚の調節が自在なシートで体型や好みに合った角度で安らげます。シェル型の設計なので、シートを倒しても後部席に影響がなく、後ろを気にする必要もなし。最大45度までリクライニングできるのです。これはかなり快適です。
十人十色の寛ぎ方をサポートするアメニティや機能
なにかと荷物が増える女子の旅ですが、グランクラスでは車内用のスリッパ、アイマスク、靴ベラなど、持ち帰ってもいいアメニティが充実。カラーリングもオトナなイメージのベージュ系で高級感がありました。さらにはブランケットの貸し出しがあるのもうれしい。
座席周りの機能も充実。車内で資料を広げ、パソコンを使うことも多い私としては、大きめにも広げられるダイニングテーブルはうれしかったです。角度を調節できるデスクライトが各席についているから読書中も手元が明るく。
意外と便利だったのが、かなりの荷物が収納できるハットラック。網棚式ではなく、飛行機のように蓋がついているので、こまごまとした手回り品も落ちてくる心配なしにしまえます。なので座席まわりもすっきり。
専任のグランクラスアテンダント により暖かいおしぼりが配られるなど、サービス内容もファーストクラス級。スペシャルな時間が始まる予感にわくわく。
*グランクラス(飲料・軽食なし)では、グランクラスアテンダントは乗車せず、車内サービスはありません。靴ベラ、アイマスクの用意もありません。
出発してしばらくすると、軽食のサービスが!
列車が走り始めると軽食のサービスが。沿線の魅力が折箱に詰められた軽食で、おつまみにも適したサイズ感。13時54分に盛岡に着いたらご当地グルメを楽しみたいという思惑があったのですが、それを妨げないほどよい量でした。
今年4月1日からは日本料理「一凜」店主・橋本幹造氏監修による軽食に。橋本氏は京都で生まれ育ち、東京神宮前に「一凜」を2007年に開店し、2017年には金沢にも寿司店を出店。伝統とオリジナルの和食を探求している注目の料理人です。旬を小さな器に盛り込んだ「豆皿八寸」を得意とするだけに、軽食も見目麗しく鮮やか!
東北・北海道新幹線の下りでは手まり寿司や合鴨スモーク、二色こんにゃく含め煮など沿線の味を堪能できるメニューで構成されています。お米も岩手県産の「金色の風」を使用というこだわり! ふわりとした食感、豊かな甘みがあり、冷めてもおいしさが変わらないという最高級品種。ちなみに北陸新幹線では富山県産の「富富富」を使用するという徹底ぶり!
「食材にこだわり、沿線各地の旬の味をぎゅっと詰め込みました。上り列車のメニューでは、甘辛く煮た鶏がお米の良さを引き立ててくれます」と、この夏のメニューに注いだ情熱を語る橋本氏。往復、違う内容なのでそれぞれ試してみたくなります。
日本酒、ワイン、コーヒーなど、ドリンクメニューも豊富
そしてあれこれ試したくなるのがドリンク。
日本酒は東北・北海道新幹線では宮城県の伯楽星、北陸新幹線では石川県の天狗舞が。純米大吟醸とお弁当のマリアージュにうっとり。
ワインは東京ステーションホテルのソムリエが厳選したという内容で、赤は長野県の井筒ワインのメルロー、白は山形県の嘉yoshiスパークリングシャルドネなど和軽食との相性もいい日本ワイン。
珈琲やお茶、ジュースなども味気ないペットボトルや紙コップではなく、グラスでいただけて贅沢。おかきやグランクラスオリジナルのパウンドケーキなども提供されるので、食後のティータイムをゆったりと過ごせます。極楽、極楽♪
*グランクラス(飲料・軽食なし)では軽食やドリンクの提供がありません。
隣を感じさせない「プライベート感」がすごい
移動の間、外部からの雑音はなし。グランクラスのチケットを持っていないとこの車両に入れないので、通行する人の気配が終始なく、グランクラスアテンダント のサービスもさりげなくて心地いい。
隣の気配に気づけないくらい静かなので、自宅やホテルの室内でリラックスするように過ごせました(心地よすぎてうとうとするけれど眠っちゃうともったいないので注意!)。座席の間のパーテーションのおかげで周囲も気になりません。
グリーン車の機能性とはまた違うほっとするホスピタリティやくつろぎをグランクラスでは得られるため、列車に乗ることが移動の手段ではなく、旅の目的の一つに思えてくる。車窓を眺めながら手紙を書くなど、自分と向きあうような時間が過ごせます。
グランクラスの旅で「優雅」を楽しみ尽くす
乗車の間中、その優雅さに浸れるラグジュアリー感。到着地のプラットホームに降りたとき、移動の疲れもなく、リフレッシュした清々しさがありました。
旅のはじまりやしめくくりを特別な時間にしてくれるグランクラスでのオトナ旅。あわただしい日々の中で疲れ切っていた自分のリズムを取り戻せそうです。
(写真/山口真由子 取材・文/間庭典子)
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