【ああ、勘違い】てっきり君もその気かと。男性が40代独女に振られた原因とは?

2019.08.20 LOVE

好きになった人とは結ばれたいと、恋をするなら誰だって思いますよね。

でも、現実はそう甘くなくて、縮まらない距離に苛立ちと焦りが募るばかり。

ある男性は、うまくいかない関係に躍起になり、相手の気持ちを無視した行動を起こします。

それが失敗したとき、彼は今まで見えていなかった大切なことに気が付きました。

彼が手にしたものは何だったのでしょうか。

 

相手が「高嶺の花」でも自分は好かれる、と思っていた

39歳のある男性は、同じ職場で働く年上の女性上司に恋をしていました。

仕事では「他人ファースト」が信条、というその女性は、自分の仕事をきっちりとやり遂げるだけでなく、部下の面倒見も良くて人望のあつい人。

「大人の色気というより可愛らしさのほうが目立つ」のも人気がある理由で、彼にとってはいわば”高嶺の花”でした。

それでも、彼には「うまくいくだろう」という思い込みがありました。

女性と共通の趣味があり、その話ができるのは職場で自分だけ。会社を離れてイベントで彼女と顔を合わせることも多く、待ち合わせて一緒に行くことはさすがにできないけど、会場で会えば彼女のほうから気さくに声をかけてくれるし一緒に過ごすし、「上司と部下」という関わりを離れた特別な感情が自分たちにはある、と思っていました。

会社で周りに誰もいないとき、こっそりとふたりで「あれは最高だったね」「楽しかったですね」と笑い合う時間が何より彼は幸せで、そうやって「ほかの人とは結べない関係」を彼女も受け入れてくれていると感じていたのですね。

なので、彼女に好意を向けるほかの社員の話を聞いても「俺は特別だから」とどこか優越感を覚え、もちろん仕事は真面目にこなすけれど自分の”立場”に甘えて過ごしていました。

「いつか、彼女のほうから告白してくれたらいいな」

彼女と反対にあまり社交的ではない彼は、彼女と先に進みたいけれどはっきりと好意を伝える勇気がなかなか持てず、彼女の気持ちを確かめる機会も作れず、今の状態を維持することが最優先。

彼女も自分に好意を持ってくれているなら、彼女からアクションがあるだろう。

そんな期待を、彼はずっと持ち続けていました。

 

「好かれている」と思ったのは勘違い?

「付き合えないストレスはあるけれど、ふたりのときは親しく話せるから幸せ」と現状維持を続けていた彼ですが、そんな毎日は突然終わりを迎えます。

彼女が昇進し、県外の支店へ異動が決まったのです。

それが公表されたとき、もちろん彼は大きなショックを受けましたが、頭をよぎったのは

「これで俺たちの関係が変わるかもしれない」

という希望でした。

同じ場所で働くから交際が難しかったけれど、別々の支店になれば周りに隠して付き合うことは不可能じゃない。

県外といえどクルマで三時間も走れば行ける距離。会いに行くことはできるし、彼女も俺との関係を進めることを望んでくれるのではないか。

これからイベントで一緒になる機会がなくなることを考えたとき、彼は

「彼女も俺のことが好きなら、離れることを寂しいと思って行動してくれるはず」

とやはり相手が動くことを期待し、「そうなったら全力で受け止めようと思っていた」そうです。

ですが、それから彼女は引き継ぎで忙しい日々が続き、イベントに来ることもなく、会社で顔を合わせても挨拶だけで終わるようになります。

廊下で会ったときに一度だけ「もうイベントに行けないのが残念。でも、こっちに帰ってきたときはまた顔を出そうかな」と寂しそうに話してくれましたが、特に彼との関係について触れることはありませんでした。

……俺とのことは、どうでもいいの?

ざわざわとした不安が少しずつ彼の心に溜まっていき、送別会でもみんなに囲まれている彼女をぽつんとひとりで見つめながら、彼はそれでも何もできずにいました。

 

かなわなかった期待

結局、彼女から告白されることはなく、ふたりの関係は何の変化もないまま、別々の場所で働く日常が始まりました。

彼は、送別会のときに「これからはLINEもOKだから」と”ほかの社員と一緒に”彼女のIDを教えてもらい、連絡したものの彼女のほうからはメッセージが届くことはなく、一緒にいた頃より距離を感じるようになります。

日常から彼女が消えたつまらなさ、連絡がもらえない寂しさに彼はイライラし、仕事でミスが増えても「どうして何も言ってくれないのだろう」と彼女への恨み言ばかりが胸に募ります。

イベントに行こうと思っても「もう彼女は来ないんだ」と思うと自然と足が遠のき、刺激のない毎日に息が詰まりそうでした。

そしてある日、我慢ができなくなった彼は彼女に会いに行くことを決心します。

「俺が告白するしかない」。彼女はきっと忙しくて俺のことを考えられないのだろう、と。

その時点で、彼の中では「OKをもらえるのは50%」だったそうです。

彼女が県外の支店に異動してから一月たった頃でした。

「まだ仕事が落ち着いていないだろうし、早いのでは」

という声は彼に届かず、彼は何の連絡もしないまま、ある日有給を使って彼女の元へ向かいます。

突然訪ねてきた彼を、彼女は驚きながらもランチに誘ってくれたそうです。

そのとき、彼女は

「来てくれるのは嬉しいけれど、突然だと時間を作れないかもしれないから。

私はここで新しい仕事を頑張るから、あなたも今の部署で力を尽くしてね」

と発言。

それは、

「いきなり訪ねて来られても困るし、私たちは仕事上だけのつながり」

であると彼女が認識している証拠でした。

ランチの一時間、彼は個人的な話を彼女とすることはなく、「好きだ」と伝える雰囲気も出せず、ただ彼女から出る「仕事の話題」を頷いて聞くだけだったといいます。

「俺が来たとわかったら、きっと喜んでくれるだろう」

彼のこんな期待は、彼女の言葉によってはっきり「NO」の返事をもらうことになりました。

 

「伝えないと何も始まらない」

彼は、そのときの彼女の態度を見て

「前と変わらないといえば変わらないけど、俺が来てくれて嬉しいとか、そんな様子はまったくなくて。

完全に『上司と部下』だった。

ああ、好きだと思っていたのは俺だけなんだなって、やっと気がついた」

と思い、自分の片想いだったことを痛感します。

「だって、あなたはその人の気持ちを確かめたの?

一度でも女性として好意を持っているって伝えたことがあるの?

彼女から自分は特別だって確信できるような態度や言葉があったの?」

そう尋ねると、彼は黙ります。

「自分たちは特別なつながり」だと一方的に思い込み、彼女からのアクションを待つだけだった彼にとって、「自分から好意を伝えない」のが関係が育たなかった理由だと知るのは、つらいことです。

「○○だったから、好かれていると思った」

「好きだから○○の話をしてくれるのだと思った」

など、相手の言動だけを関係を進める頼りとし、自分の好意は”後出し”でいいと思っても、そんな心の向け方で相手の愛情がこちらを向くはずはないのですね。

いざ動くのはすでに現実が変わったあと、それまで何もしてこなかった相手にいきなり存在を押し付けられても、それを受け止める隙間は相手の中にはありません。

関係は、ふたりで育てるものです。

伝えることをおろそかにすれば、それだけ相手の心も動かないのだと、彼はやっと気が付きます。

「伝えないと、何も始まらない……」

ぼそっとつぶやいた彼は、今までの自分を振り返るのか、肩を落としていました。

 

 

彼は、今でもこの女性のことを完全に諦めることができず、たまにLINEを送っては彼女からの返事を待ちわびる日々を送っています。

自分の考え方が間違っていたことには気づいたけれど、それならこれからはどうすれば良いのか、具体的な方法を悩み続けています。

いざ彼女の心と向き合おうとしたとき、彼がぶつかるのは「すべて自分の勘違いだった彼女の言動の意味」。

恋の行方を相手任せにせず、みずからも進めていくには、相手の振る舞いの意味を見極めること、そのためにはこちらからも伝えていく姿勢が必須なのだと、彼は少しずつ「新しい現実」を見つめようとしています。

 

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