近藤サトの女のギアチェンジVol.2「逆接の女のススメ」
「自分らしく生きる」ためにはどうしたらいいか、ということをよく尋ねられます。こと最近の私は、まことに自分らしく生きているように見えるそうですが、実際はそれほど戦略的に生きてきたわけでもないので(というより全くもって)あらためて自分らしく生きることについて考えてみました。
自分らしく生きるとは?
まず、押さえておきたいのは、自分らしいかどうかの評価は、自分のみの評価ではなくて、他人の評価あっての「自分らしさ」であるということです。むしろ他人の評価のほうが比重が大きいと思います。
「だって自分自身のことなのだから、自分が“らしい”と感ずれば、それが正解なんじゃないの?」と思っている人は、実はなかなか「自分らしさ」に辿りつけないように感じます。最終的には他者の評価によって、文字通り公的な評価が成立するのです。
でも、仕事の評価ならともかく、なかなか他人に「あなたは自分らしく生きている」という評価をもらうことは難しいですよね。
「私って自分らしく生きてる?」なんて聞こうものなら、新手の青い鳥症候群かと心配されかねません。かといって、SNSでは単純な承認欲求が満たされたいのであって、「生き方」とまでなると、そんな「重たい承認」は双方なるべく避けたいものです。
ごくごく自然な流れで「あの人はとても自分らしく生きていてイイね!」とまず巷で話題になり、そこで複数の承認を得た上でようやく、ふわりと本人に告げられる、そんな理想的な展開はどうやったら訪れるのでしょうか。
私は「グレイヘア」でその扉を開くことになったのですが、これは安易にはおすすめできません。見ての通り、黒が白に変わるというドラスティックな変化で、リスクも大きいと思います。第一、グレイヘアにしなくたって、いくらだってその人らしいと認めてもらえると思うからです。
前置きが長くなりましたがその奥義とは!テレビ番組ならここでCMが入ります。タチの悪い
場合は、次週に持ち越しで引っ張ります。
オトナの女性なら「逆接の女」を目指すべし
もったいぶりましたが、それは「逆接の人(おんな)」になることです。「逆説」ではなく
て「逆接」。~なのに、~にも関わらず、それなのに、など逆の意味をつなげていくときの接続詞です。
「あの人は●●なのに○○ね!」ということです。●●はいわば、あらかじめ認識されている公的イメージ。反対に○○は、意外性を持って承認された後天的なイメージ。これはどちらかが悪くて、どちらかが良いというものではありません。良い悪いではなく、その裏切り方が痛快であればあるほど、他人は、その人の自分らしい生き方を認めるのです。
加えて、自分も共有している問題であればなおさら共感の度合いも深くなります。お給料少ないのに貯金が多い、忙しいのに趣味人、休んでるのに仕事ができる、こんなのではあまり驚きません。「目を見張るほどの逆接の人」でなくては。
次回は、上級レベルの逆接のおんなを実際にご紹介したいと思います。お楽しみに。
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