私、このままでいいのかな…いえ、間違っていません。9月のタロットカードより

【僧侶】カレシを特定できます

40人ほどのボランティアチームの会合に

<ポエタロ>を持参した時のことだ。

 

チームは

「星空を見上げることで人と人、人と自然とつながろう」

というスローガンのもとに

天体観測、移動プラネタリウムといったイベントを

被災地などで催している。

 

天文学系の人が多いせいか

そもそも科学的に思考する人々の集まりで、ポエタロを

「深層心理にはたらきかけて

そこからメッセージを連れてくるもの」だとか

「メッセージは偶然でなく

必然という考え方に基づいているもの」

などと言うと

ジョークだと大笑いされる

そんなチームだった。

 

さて、そんな中27歳の女子Yさんが引いたのは

「僧侶」のカードだった。

そこにいた全員がどよめいた。

私だけが何のことかわからない。

 

聞いてみると、最近Yさんにカレシができて

もっかのところチームはその話題で持ちきりであったという。

 

そしてあろうことか

くだんのカレシはほかでもない「お坊さん」であったのだ。

 

科学脳の持ち主たちが

「ポエタロは偶然を遊ぶゲームなどではなかったのか!」

と思ったかどうかは定かではないが

Yさんのあと我れも我れもと

ポエタロの前にメンバーが列をなしたことは事実である。

 

ほどなくして、Yさんとカレシは結婚の運びとなった。

 

あの「僧侶」のカードが

ちょっぴりでも二人の背中を押したりしたろうか、と

ひとりほくそ笑む私である。

 

 

覚 和歌子

©FUKAHORI mizuho

詩人・作詞家

山梨県生れ/千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『はじまりはひとつのことば』(港の人)、『2馬力』(ナナロク社)など。エッセイ、絵本、翻訳など著作多数。映画監督、脚本、舞台演出、朗読、自らのバンドを率いてのソロライブ、米国ミドルベリー大学日本語学特別講師など。詩作を軸足にマルチな活動を展開。

 

***

 

ポエタロ」とは?

「ポエムタロットカード」を縮めた名前、『ポエタロ』。

47枚のカードにはそれぞれ、美しくやわらかい日本語の詩と、

かわいらしくも不思議な魅力のあるイラストが描かれています。

使い方はいたって簡単。シャッフルしたカードの中から、

その時の直感で1枚、あなた自身のためにカードを引いてみてください。

1日のはじまりにその日の指針を得てもいいし、なにか大きなチャレンジの前、

なかなか超えられない壁に直面しているときに。

そのときの気持ちや環境にリンクした、やさしい詩とメッセージが、

次の1歩を踏み出す勇気や確信を与えてくれる不思議なカードです。

あなたの心強い味方になってくれるはず

 

Amazonはこちらから

『ポエタロ いのちの車輪をまわす言葉』

覚 和歌子・著 石川 勇一(相模女子大教授)・監修 大野 舞(Denali)・画 カード47枚 ガイドブック付き 3,780円(税込)/地湧社

スポンサーリンク