【マジ?】「生きた魚」は税率8%。では熱帯魚は?知れば知るほど混乱する軽減税率の話

元国税局職員 さんきゅう倉田です。
好きな言葉は「増税」です。

 

大学を卒業して、東京国税局に入り、退職して、吉本興業で芸人になりました。芸歴は10年目です。

 

「どうして芸人になったんですか?」と週3回ほど聞かれます。ぼくはいつもこう答えています。「おもしろそうだったから」。

 

仕事はお金よりやりがいですね。自分が面白いと思う仕事をして、そこに気持ちを傾けていると、報酬も上がっていきます。

 

専門家でも意外にむずかしい、軽減税率

前回から、軽減税率について解説しています。

テレビでもたくさん解説されているので、オトナサローネのみなさんのリテラシーも相当高いのではないでしょうか。どんなに理解していても、むずかしい個別の事例は、次から次へと出てきます。

みなさんは栄養ドリンクを飲みますか?ぼくは、リポビタンDスーパーが好きで、講演会や長い収録のときは必ず飲んでいます。「元気になるのは気のせいだよ」と言われることもありますが、ぼくは効果を実感しています。タウリンと大量の砂糖が、ぼくとの相性抜群です。

お笑いライブの楽屋では、若手芸人がさまざまなドリンクを飲んでいます。徹夜でアルバイトをして、そのまま劇場に来ている者や朝まで相方とネタづくりをしたコンビが疲弊した身体を癒すために栄養を補給しようとしています。

ここでは、リポビタンDスーパーは人気がありません。個人的に美味しさと良さを伝えてはいますが、広がりをみせません。若手芸人が飲んでいるのは、おもにモンスターエナジーやレッドブルです。数年前まで劇場のスポンサーだったオロナミンCも、当時は人気がありました。

さて、この中には、消費増税後に消費税が10%になるものと8%になるものがあります。どれでしょう。

どれも、「元気が出るドリンク」として愛飲されていますが、炭酸飲料と医薬部外品があって、食品に該当する炭酸飲料の購入は8%、医薬部外品の購入は10%となります。

この中だと、リポビタンDスーパーだけが医薬部外品にあたります。調べたところによると、タウリンが入っていると医薬部外品になるようです。

アルコールを提供している店で、「レッドブルウォッカ」なる飲み物を注文したことがあります。これは、アルコールですし、食事の提供なので、10%です。レッドブルならいつでも8%になるわけではありません。

 

牛と魚でも違う!本当に混乱する軽減税率

読者の方々に関係がありそうで、かつ、判断がむずかしいところだと、健康食品の類でしょうか。特定保健用食品、栄養機能食品、健康食品、美容食品などの購入は、軽減税率の対象となります。

あまり購入しないので、どのような種類があるのかわかりませんが、気になる方はパッケージを確認してみてください。

 

また、ケーキを購入したときに、名前プレートやろうそく、保冷剤を買った経験はありませんか。これはどうでしょう。

 

ケーキの購入にともなって、無料で提供してくれる場合は、無料なので消費税はかかりません。ケーキの消費税も8%のままです。

 

有料の場合は、食品ではないので消費税は10%となります。食べられる名前プレート、食べられるろうそく、食べられる保冷剤なら、8%の可能性もあります。

 

名前プレート以外に、そういうものがあるのでしょうか。

 

また、有料のドライアイスも、個人的には食品ではないと考えます。

 

牛と魚でも取扱いが異なります。生きた牛は食品ではないので10%ですが、魚は生きていても食品として取引されるので8%となります。ただし、食品ではない熱帯魚は10 %です。

 

軽減税率には、さまざまなルールや用語があります。それらは、ビジネスを行う上でも、日常生活でも、知っておいて損のないものです。少しでもやさしく、わかりやすく、たのしく理解していただけるように、この連載で少しずつ紐解いていきたいと思います。

軽減税率が始まってから、少しずつ理解を深めても遅くありません。ご自身のペースで学んでいきましょう。

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