「もしかして新型コロナ感染?」と迷う人に、薬剤師からのアドバイスは

さまざまな施設がクローズを始めても、なかなかままならない新型コロナ肺炎対策。

今後、感染拡大の局面では、望む治療にアクセスできない可能性が高まります。ですが、どれだけ「自宅で」と言われても命にまつわる不安は消えません。

社会全体でどうしていけばいいのでしょう。専門臨床とは違う視点でこの事態に関わる、都下の調剤薬局の薬剤師に話を聞きました。

 

医療関係者もそれぞれ「守っている立場」が違う

40代の女性薬剤師、Nさんは、東京都の湾岸エリアで調剤薬局を経営しています。まず、新型コロナの流行に伴い、何が変わったかを聞いてみると…

 

「患者さんの来局そのものが減ったように思います。感染するリスクを考えて、患者さんたちが自制しているんだろうと思います。その自制をムダにしないよう、薬局でも『私たちを含めて誰もが無症状の感染者かもしれない』と想定して消毒を強化しています」。

 

ここしばらくは「どうすればいいか」の相談が増えているそうです。

 

自分の症状を説明して、病院に行くべきかどうか?という相談を受ける機会が増えました。味覚がおかしい、咳が出るなど、こういう症状が出ているけれど病院に行くべきか……みんな不安なんだと思います。相談できる医療関連機関が限られることもあるかもしれません」。

 

何気ないコミュニケーションが病気のリスクを下げる

Nさんの薬局が位置するのは、古くから住むお年寄りが多いエリア。みんなお互いさまという精神があるそうです。

 

「誰だって、飛び込みで急に知らない医師に診てもらうことになったら不安がつのると思います。このエリアのお年寄りたちはかかりつけの医者と薬局を持っているのが安心につながっていますね。自分の健康について相談する相手が決まっているから、どうなったら誰に相談すればいいかを知っていて、あたふたしていないように見えます」。

 

普段から会っている患者さんなら、顔色や声の調子、歩き方のちょっとした変化に気づきやすいとNさん。

 

「顔色、顔つき、歩き方、姿勢のような、自覚しにくいちょっとした変化に他人が気づけます。

 

たとえば脳卒中などでも、様子がおかしいことに家族が気づくことはよくありますよね。高齢者だけでなく、若い層でも独居の方が増えていて、こういうちょっとした気付きで重大な疾患の発症の予防にもつながります」。

 

「顔なじみの薬局・薬剤師づくり」から始めてみては

日ごろから、かかりつけの病院と薬局を見つけておくといい。それはわかっていますが、病気がないとわざわざ病院には行きませんから、かかりつけ医を作れと言われてもまず難しいもの。

 

「自宅と駅の間の立ち寄りやすいところでどこか1つ、先にかかりつけ薬局を作ってみてはどうでしょう。

 

調剤薬局って、実は相談だけしても大丈夫なんです。たとえば、どこかが痛い、具合が悪いというとき、『処方箋ではなく、自分の体調の相談だけなんですけど』というかかりかたをすることができるんです」。

 

医師に診てもらうまでもないけれど、自分ひとりで抱え込むには不安な、どこに相談すればいいのか迷うちょっとした不調がある場合、気軽に相談できる先が薬局なのだそうです。

 

「近所にあって、無料で、予約も不要。薬局には専門知識を持った薬剤師がいます。急いで病院を受診したほうがいいか、受診するならどの科がいいか、それとももうちょっと様子をみたほうがいいか、アドバイスをしてくれます。ポイントは相談しやすい薬局、薬剤師を探しておくこと。相性のいい人のほうが気軽にいろいろなことを相談しやすいですから」。

 

Nさんは普段から足がつりやすい、目まいがするなどの症状で、病院を受診すべきかな?と相談されることがよくあるそう。

 

「家にいてくれ」=誰かにうつさないということ

現在まだ新型コロナそのものの治療薬はなく、対症療法しかありません。

 

「熱があるなら解熱剤を飲む、咳があるなら咳止めを飲む。あとは静養すること、そして他人に移さないことが重要です。新型コロナの難しいところは、診断の時点で肺炎でなくても、あとから症状が進行することがままある点です。いちど陰性と診断されたのにあとで陽性になることもあります。それだけ正体がわからない病気を、日本はピークをずらして医療崩壊を防ぐ形で乗り切ろうとしています。

 

もし自分の体調がおかしいと思ったら、自分は陽性だと思って行動しましょう。休養をとって体調の回復につとめ、ご家族のいる方は生活空間を共有せず過ごすことが大切です。すぐ医療機関に駆け込むのではなく、一呼吸おいて体調が回復するかを見るのが重要です。

 

回復につとめても体調が悪化するようであれば、そのときは速やかに医療機関を受診しましょう。

 

もしものことを考えて行動しておけば、結果的にいい方向につながっていくと思います」。

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この記事を書いたのは
OTONA SALONE編集部 井一美穂

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