【国名漢字】「あまばばら」ではありません!「尼婆羅」はどこの国?
普段、国名はカタカナで表記されていることが一般的ですが、仏蘭西、露西亜、伊太利亜など、漢字でも馴染み深いものはありますよね。
これらの漢字表記は、国名の音に漢字の読みを当てはめているため、漢字の意味など考えずにそのまま読めば、もともと読み方を知らなくても読めてしまうこともあります。
とはいえ、なぜこの字を当てた!?と思ってしまうようなものも存在します。読めたら嬉しくなっちゃうかも?
「尼婆羅」はどこの国でしょうか?
尼のお婆さんの網(「羅」は「網」の意味があります)・・・をイメージしても、その国名には辿り着けません。
「尼」は音読みで「ニ」、訓読みだと「あま」ですね。
「婆」は音読みで「バ」、訓読みだと「ばば」です。
「羅」は音読みで「ラ」です。
「ニ」「バ」「ラ」と並べると、その国名に近づくような、そうでもないような・・・。
分かりましたか?
正解はこちらです。
「ネパール」です。正式な国名は「ネパール連邦民主共和国」です。
「尼婆羅」は当て字ですが、どの文字にしてもなかなか強引です。
中国語でネパールは「尼泊尔」と表記するため、それに倣って「ネ」に「尼」を当てたのかもしれません。
「パー」に「婆」を当てたのは、「パ」と「バ」が似ているからでしょうか。実はネパールは「尼波羅」や「涅巴爾」と表記されることもあります。「波」や「巴」だと「パー」という感じがしますね。
「ル」に「羅」を当てるケースは、「ルーマニア」を「羅馬尼亜」と表記するなど、他の国名でも見られます。
ところで、漢字一字で国名を表すことがありますよね。たとえば、「露」ならロシア、「仏」ならフランスです。
そうすると、「尼」と書かれていたらネパールだと思ってしまいそうなのですが、これが要注意。
実は、「尼」と書かれている場合、インドネシアを表しているのです。
インドネシアは漢字表記で「印度尼西亜」です。「印」はインドを表しますから、区別するために「尼」を使用しているのですね。
では、ネパールは・・・?
漢字を使わず、「ネ」と表記します。いきなり「ネ」だけ出てきても何のことか分からないので、通常は「ネパール」という表記をした後で略記したいときに使用されるでしょう。
ではここで、ネパールにちなんだ地名の漢字のクイズです。
「喜馬拉雅」はどこでしょうか?
そのまま読むと「キバラガ」ですが、それだと何のことだかわからないので、ちょっとひねりが必要です。
でも、なんとなく読めそうな気がしませんか?
ネパールと言えば、世界最高峰のエベレストを擁するこの山脈がありますよね。
そうです。正解はこちらです。
「ヒマラヤ」です。
ヒマラヤは中国語で「喜马拉雅」と表記します。
「马」は日本の漢字にはありませんが、日本語の「馬」です。
日本語でも中国語と同じ意味の字を当てているのですね。
ネパールの国土北部はヒマラヤ山脈が占めており、世界に14座しかない8,000mを超える高峰のうち、なんと8座がネパールにあります。エベレストもそのうちの一つです。
ところで、新しいカレー屋さんを見つけたときに、「あの店はインドカレー?ネパールカレー?」と思うことってありませんか?
見分ける一つの方法として、エベレストのポスターを貼っていたら、だいたいネパールカレーです!
参考 東京都立図書館
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