「恋愛で燃え上がるような高揚感を感じたことがないです…」【オトナLab.】vol1

2021.10.16 LIFE

短期連載、【オトナLab.】いよいよはじまりました!

オトナ世代特有の多岐に渡るお悩みを、テレビや雑誌などで活躍するエキスパートたちが答えてくれるリレー連載です!!

多数あった質問の中から、エキスパート自らお答えするものをセレクト。

vol.1は作家の岩井志麻子先生です。

誰とも交際することなく30代を終える私って…

(質問者/39歳、会社員)

「39歳で独身、都内で一人暮らしをしています。少ないながらも異性とのお付き合いを過去に経験しましたが、恋愛感情や性的な欲求がよくわかりませんでした。テンションは常に低め安定で、燃え上がるような高揚感を感じたこと自体、なかったように認識しています。そもそも恋愛は人生において必要でしょうか。誰ともお付き合いすることなく30代を終えようとしている私は、ヒトとして何かが欠落しているのでしょうか。話しにくい内容なので、誰にも相談したことはなく、恋バナのような話題には適当に相槌をうって凌いできました。岩井先生は真逆だからこそ、何か突破口を見出してくれるような気がして、勇気を出してお悩み相談に応募しました」

 

恋愛は国民の義務ではない。したい人はしたらいい。

岩井先生の大人VOICE▼▼

あなたは、そのままでいいのです。恋愛は国民の義務でもなく、しなきゃ罰せられる、という規則でもありません。したい人はしたらいいし、したくない人はしないでいい。

あなたは、それもわかってはいるのです。でも悩んでしまうのは、真面目なんですね。

まず、あなたは固定観念に縛られがちな人なのでしょう。たとえば女は化粧しなきゃいけないとか、料理が上手でなければいけない、と思い込んでいる。

化粧を手抜きする私、料理が苦手な私は女としてダメ、みたいに、誰かに責められなくても勝手に化粧上手や料理上手の誰かと比べ、落ち込んだりしていませんか。

私も、いつも完璧に化粧してる女性には憧れますし、料理上手な女性は友達に欲しいです。でも、化粧してなくてもキュートなら女としてダメなんて見ないし、料理なんか関係なく会話が楽しいとか、いろんな知識があるとかで、友達になっていただきます。

そして、おそらくあなたは天ぷらは天つゆで食べる物、とか、枕カバーは毎日お洗濯するもの、としてしまったら、変えられない頑なさもあるのでしょう。

天ぷらは塩で食べても美味しいし、醤油やソースもなかなかイケますよ。でも、絶対に天つゆなのね、あなたは。枕カバー洗濯も、三日に一度くらいでいい私ですが、今あなたは私を不潔ずぼら認定しましたね。味音痴、ともつぶやきましたね。

そういわれてもいいです、私は。天ぷらにソースも美味しいし、三日洗濯しなかった枕カバーの、自分の匂いに妙な安心感すら味わえるから。でも、すごい食にこだわりのある人には畏怖の念すら抱くし、清潔好き潔癖症の人には尊敬も捧げます。

だけど恋愛って雑駁さ、いい加減さこそが妙味で醍醐味なのですから、義務化などしてしまったらつまらないものになりますよ。とにかく、あなたは、そのままでいいのです。

 

 

次回も岩井先生の神回答が読める!次回は10月23日(土)21時公開予定~

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この記事は
作家 岩井志麻子

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