大切なものを失くしたとき。喪失感から立ち直る3ステップ
人は生きていく過程で、時として、大切な何かを失うことがあります。それも、予期していなかったかたちで、突然に、です。
すると、絶望のあまり茫然自失の状態になったり、人生が理解不能になったり、ひどい場合には日常生活が困難になることすらあり得ます。
そのような状態から、どのようにして心を立て直して、元の自分自身に戻ることができるようになるかを、3つのステップでお話ししましょう。
喪失体験をすると…
愛する恋人と別れた。
大切な家族を亡くした。
突然、失業した。
身体の機能を損なった。
などなど、
人生には実にさまざまな喪失体験があります。
人は大切な何かを失くすと、大きな苦しみの感情を味わいます。
人により程度の差はありますが、自分を見失ってしまったり、ぽっかり穴が開いたようになってしまったり、足元から今までの世界がガタガタと崩れていくような気さえします。
ひどくなると、日常生活がうまくいかなくなり、苦しみと悲しみで途方に暮れてしまうことにさえなってしまいます。
魂の危機、とでも言えるこのような状況が続くのは、おおまかに言って約半年、と言われています。それ以上、苦しみが長く続かないようになるべく早く心の苦しみを癒す努力をした方がいいでしょう(個人差があるのでもっとかかる人もいます。その場合は専門家や医師に早めに相談しましょう)。
心の苦しみをやわらげるには
心の傷の深さは、人により個人差があります。
その人のバックグラウンド、経験値などにも左右されます。
なので、苦しみの癒しかたも本来は人それぞれです。
誰かにつらい気持ちを話して、心が軽くなる人は、家族や信頼できる人に自分の気持ちを打ち明けるのが効果的です。話しながら自分の喪失体験を自分で整理していくことができるからです。
一方で、何も語らないという選択肢もあります。
語ることすら苦痛な場合は、むしろ悲しみを何度も追体験してしまうので心に負担がかかります。このような場合は、無理に話さず、気が済むまで沈黙していてもよいのです。
大切なのは自分の今の気持ちを無理に否定しないことです。まずはその苦しい気持ちを苦しいままに感じてみることです。
そして何よりも大事なのは、昔から「日にち薬」「日薬」とも言われるように、「時間」です。
心の傷は時間が癒してくれるといっても過言ではありません。
悲しみがもたらすもの
心の痛みがある程度落ち着いてきたら、その喪失体験が、自分にとって一体どんな意味を持つのかを考えてみましょう。
これは、後々心の傷が深くならないためにも、とても重要なことです。
自分の人生において、その喪失体験は何を語りかけているのか、意味を見つけるのです。
「愛されていたことがわかった」
「愛するという気持ちがわかった」
「生きていることの素晴らしさ、有り難みがわかった」
「自分の本当にしたいことがわかった」
「悲しみとは、どんなものかわかった」
など、辛い体験からプラスの意味を読み取る努力をしましょう。それは、白黒の画像にひとひとつ色を付けていくような地道な作業かもしれません。でも、それができたら、理解できそうもなかった辛い喪失体験も、だんだんと受け入れることができるようになります。
喪失体験から、何かを学びとることができると、それがあなたの心の成長に結びついていくのを感じ取れることでしょう。
このように喪失体験のもたらすものは、決してマイナスの面ばかりではないことを知っておいてください。
今は苦しくとも、つらい経験と心の痛みは、いつしか人生を形づくる大切な要素になる、ということを覚えておいてください。
それだけでも心の痛みが軽くなっていくのです。
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