え!そうだったの?「他人事」の正しい読み方、知っていますか? 漢字クイズ3つ
漢字には複数の読み方や意味があり、時に読み方を間違えてしまうことも。「よく使う言葉なのに、いざ漢字で書かれると読めない」そんな経験をしたことある人は、決して少なくないはずです。でも、人前で読み間違えたりすると、とても恥ずかしいんですよね・・・。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します!
その1:「他人事」の正式な読み方、知っていますか?
「たにんごと」と読んでしまう人もいるかもしれません。「他人」と「事」の読み方としては間違いではありませんが、「他人事」の正式な読み方としては間違いです。
正解はコチラ!
「ひとごと」です。
自分に無関係な人についてのこと
引用元:小学館 デジタル大辞泉
という意味があります。
ただ・・・「他人事」という漢字の背景は少々複雑です。
まず「常用漢字表」では、「他人」を「ひと」とは読みません。しかしNHK放送用語委員会では「他人事」の読み方を「ひとごと」と定めており、「たにんごと」とは読まないことになっています。そのため、テレビやラジオでは「たにんごと」とは言いません。
が、先ほども申し上げた通り、常用漢字表では「他人=ひと」とは読めません。
ですから、テレビでは「他人事」は「ひとごと」と表記され、新聞では「人ごと」「ひとごと」などと表記され、「他人」という漢字を使用していません。
なお、戦前の辞書では「ひとごと」の漢字に「人事」と当てていました。しかし「人事」と書いてしまうと、“社員の処遇を決定する業務”である「じんじ」と間違われてしまう可能性があります。そこで「他人事」という書き方が支持されたようです。
そのうち「他人事」の誤まった読み方「たにんごと」が広く浸透。最近では「他人事」の読みが「たにんごと」で載っている辞書もあります。
出典>>え!そうだったの?「他人事」の正しい読み方、知っていますか?
その2:「一段落」の正式な読み方、知っていますか?
「一段落」の意味は
1文章などの、一つの段落
2 物事が一応かたづくこと。ひとくぎり引用元:小学館 デジタル大辞泉
です。
「一段落」を「あともう一段落(ひとだんらく)したら休憩しよう」といった風に、「ひとだんらく」と読んでいる人は多いのではないでしょうか。でも、その読み方、正式な読み方ではないんです。
正解はコチラです!
「いちだんらく」です。
とはいえ、話し言葉では「ひとだんらく」という読み方をよく耳にするのも事実です。辞書によっては「一段落」の項目に以下のような解説が記されていることも。
「ひとだんらく」と読むのは誤りだが、話し言葉では使われることも多い。
引用元:小学館 デジタル大辞泉
正式ではないものの一般に広く普及した読み方のことを「慣用読み」といいます。「一段落」も「慣用読み」される代表的な漢字のひとつ。なお「いち」ではなく「ひと」という読み方が普及した理由は「一」を「ひと」と読む漢字が多数あり、類義語の「一区切り」が「ひとくぎり」と読まれるため、混同したのではないかという説があります。
なお「正式読み」も「慣用読み」も、読み方として間違いではありません。「一段落」を「いちだんらく」と読んでも「ひとだんらく」と読んでも間違いではないのです。
- ひとだんらく=慣用読み
- いちだんらく=正式読み
を覚えておけば、漢字に関する知識が広がりますよ。
出典>>今さら聞けない!「一段落」の正しい読み方、知っていますか?
その3:「四方山」の読み方は?
「四方山」の字を見て「山の名前かな?」と思った人もいるのではないでしょうか。ちなみに宮城県には「四方山」と書く山があり「しほうざん」と読みます。なので、「しほうざん」という読みもあながち間違いではないのですが、以下の意味を表す場合には間違いです。
1 世間。また、世間のさまざまなこと。
2 四方にある山。周囲の山々。引用元:小学館 デジタル大辞泉
“世間。また、世間のさまざまなこと。”を表す「四方山」を使った言葉で有名なのは「四方山話」。「〇〇〇〇ばなし」という言葉に聞き覚えはありませんか?
正解はコチラです!
「よもやま」です。
「四方山(よもやま)」は、元は「四方八方(よもやも)」の音変化ではないかと言われています。“四方にある山。周囲の山々。”も表す「四方山」ですが、「山」という漢字は「よもや“も”」の音が「よもや“ま”」に変化した後に当てられたと言われています。
似たような言葉に「与太話(よたばなし)」があります。ただ、こちらは「世間のさまざまなこと」ではなく
出まかせのつまらない話。でたらめの話。
引用元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。
「四方山」には「さまざまな話題がにぎやかに続くこと」を意味する「四方山話に花が咲く」という慣用表現があります。字面や意味合いはよく似ていますが、「与太話」に比べると「四方山話」の方が楽しそうな雰囲気がありますね。
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