「とうかんに」ではありません!「等閑に」の読み方、知っていますか?|漢字クイズ3選

2020.10.05 QUIZ

1つの文字に複数の読み方がある漢字。そんな漢字の読み方の中には、漢字1文字1文字からは想像できないような読み方が当てはまることもあります。

そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。

 

第1問:「等閑に」の読み方、知っていますか?

「等閑に」という漢字を見て、思わず「とうかんに」と読んだ人も多いのではないでしょうか。「等閑」だけであれば「とうかん」という読み方もあります。ですが、送り仮名「に」がつくときに「とうかん」と読むのは間違いです。

ただ「等閑」を「とうかん」と読むときと、クイズの答えである読み方「〇〇〇〇」と読むときの意味はほとんど同じです。

「等閑(とうかん)」の意味は、

物事を軽くみて、いいかげんに扱うこと。〇〇〇〇。

引用元:小学館 デジタル大辞泉

「等閑(〇〇〇〇)」の意味は、

① 真剣でないこと。いいかげんにして、放っておくこと。また、そのさま。
② 深く心にとめないこと。あっさりしていること。また、そのさま。

引用元:三省堂 大辞林第三版

です。

正解はこちら!

「なおざりに」です。

「とうかん」と「なおざり」で意味がほとんど同じ理由は、「気にもとめない」「本気でない」「おろそかにする」の意味を表す「なおざり」という言葉と、漢語「等閑」が同じ意味を表していたからです。「等閑」が「なおざり」と読めるのではなく、同じ意味の漢字を当てた言葉だったんですね!

また似ている言葉に「おざなり」があります。「おざなり」と「なおざり」はいい加減な言動を表す言葉ではありますが、以下で示すように絶妙に違いがあります。

  • おざなり
    自分で意識的いい加減な言動をして、その場逃れをしようとする
  • なおざり
    注意深くないことを指す。そのため、自分では意識せずにおろそかな結果になったときの言動として使う。

「仕事を“なおざりに”した」と言うと、おろそかな結果になった理由について注意されるだけで済むかもしれませんが、「仕事を“おざなりに”した」と言ってしまうと、「わざとやったのか!」と怒られてしまうかもしれません。

出典>>「とうかんに」ではありません!「等閑に」の読み方、知っていますか?

 

第2問:「心許り」の読み方、知っていますか?

ビジネスシーンや祝い事などで「心許り」という表現に慣れ親しんでいる人なら、答えを知っているかもしれません。

「心許り」の「心」も「許」も日常生活でよく見かける漢字です。ただ、「許可(きょか)」や「許す(ゆるす)」といった読み方しか思い浮かばず、「心許り」を「違うだろうな…」と思いつつ「しんきょり」「こころゆるり」と読んでしまった人もいるかもしれません。何を隠そう、私もその一人。「間違ってるだろうな」と確信しつつ「こころゆるり」と答えるしかありませんでした…。

まずは正解を見てみましょう。

「こころばかり」です。

「心許り」とは

わずかに心の一部を表したものであること。贈り物をするときなどに謙遜していう語。副詞的にも用いる。

出典元:小学館 デジタル大辞泉

という意味。

★「心許り」の使い方

「心許り」は「ささやかな」「ちょっとした」という意味を持ち、「ほんの気持ちですが」と言い換えることもできます。謙遜した表現のため、親しい人だけでなく、目上の人に贈り物などを渡すときに使うことができます。

ただし

  • 高額なお金や高価な品物を贈るときには適していない
  • 使う相手によっては「嫌味」に捉えられることもある

ということに注意が必要です。

状況にも左右されますが、「心計り」を使っても問題ない金額の範囲は大体千円から一万円ほど。「心のこもったささやかな品」ではなく「高価なもの」を贈る際には、「心計り」を使わないようにしましょう。

出典>>「こころゆるり」ではもちろんありません!「心許り」の読み方、知っていますか?

 

第3問:「角べる」の読み方、知っていますか?

「角べる」は一般的に使われる言葉ではありませんが、読み方自体は馴染みのあるものです。もちろん「角(かく・つの)」の読み方そのままに「かくべる」「つのべる」は間違いです。

「角べる」の同音異義語である「〇〇べる」の意味は以下の通りです。

①二つ以上のものを並べて、その異同・優劣などを調べる。照らし合わせる。比較する。
②(「競べる」とも書く)能力・勢力などを示しあって、その差を確かめる。張り合う。競う。争う。
③親しく交際する。

出典元:三省堂 大辞林第三版

“比較する”、“張り合う”から読み方が思い浮かんだ人もいるのでは?

正解はこちら!

「くらべる」です。

上記で引用した「くらべる」は、漢字で「比べる・較べる・競べる」と書くことができ、すべて「くらべる」と読めます。

「角」を用いた「角べる」は

力くらべをする。力や技で競り合う。

引用元:くら-べる|言葉|漢字ペディア

の意味があります。

現代は広い意味で用いることができる「比べる」が一般的ですが、「くらべる」には読みが同じでも漢字が異なる同訓意義が他にもあります。

比べる 二つ以上のものを照らし合わせて、優劣やちがいを調べる。
較べる 突き合わせてちがいなどを調べる。「比べる」にほぼ同じ意。
校べる 「較べる」に同じ。
角べる 角(つの)を突き合わす。力くらべをする。
競べる 勝ち負けを決める。競争する。

出典元:くらべる|同訓意義|漢字ペディア

一般的に用いられる「比べる」一つで意味は通じますが、“勝ち負けを決める”際には「競べる」が使われることもあるので、「比べる・較べる・競べる」は覚えておいてもいいかもしれません。もちろんこれらを事細かに使い分ける必要はありませんが、同じ読みでも異なる漢字があるということを楽しんでいただけると幸いです。

出典>>「かくべる」ではない!「角べる」の読み方、知っていますか?

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