「免疫を上げる」たった一つのこの上なくシンプルな方法

小さなメーカーがこだわりを持ち、まじめに丁寧に作っているのだけれど、イマイチ売り方が下手で注目を集めない。そんな安心安全でおいしい食べ物を日本中から探し出し、表舞台に出してたくさんの人に届けることを使命とする美食のセレクトショップ「グランドフードホール(通称グラホ)」がいま注目を集めています。

ヘルスコンシャスな人が実践する賢い買い方#1

同社を立ち上げた岩城紀子さん(48歳)は、進学したアメリカの大学を家庭の事情で中退し、帰国後、日本で英会話学校の営業と教師をした後、ギャップジャパンの西日本エリアマネージャーを経て機能性食品のバイオベンチャー企業の役員になったという異色の経歴です。芦屋と六本木に店舗を構えるグラホの理念を3回に渡って聞きました。

『裏を見て「おいしい」を買う習慣』岩城紀子・著 1,500円+税/主婦の友社

 

いま思い出したい言葉「あなたは食べたものでできている」

コロナ禍によって主流となった価値観の筆頭と言えば、「何はなくても健康第一」。新型コロナウィルスへの特効薬がない現状では、免疫力を上げて自衛するほか策はなくて、そのために「食」は重要、と誰もが意識するようになりました。

 

外出自粛でおうちごはんが劇的に増えた時期には、毎食の栄養バランスなど気になりましたよね。できるだけ体に良くておいしいものを、と心がけてがんばった人が多いのではないでしょうか。とは言え、正直、毎日3食作るのはしんどい! 「食」が大事とわかっていても、毎回ちゃんと献立を考えるのはたいへんなこと。誰かかわりに食材を吟味しておいしいものを作ってくれないかな~、なんて思っちゃいます。でも、それも夢物語。となると、やはり自分で作るしかないわけで。食材を買ってきて作ったり、時には出来合いのものを買ってきたり。

 

その際、気にしたいのは食品添加物です。

 

「You are what you eat(あなたは食べたものでできている)」といわれます。体の細胞は日々作り替えられ、その材料になるのは食べたものです。だから、食べ物を買うときは、その食べ物が「何でできているか」を気にかけてほしいのです。それはあなたの体を作るものだからです。

 

100年前にはなかった化学合成の食品添加物

振り返ってみると、私が子どもの頃、日本の高度経済成長と呼応するように、合成着色料や合成甘味料、化学調味料、保存料などの添加物入りの食品が続々と出回るようになっていました。工場で大量生産された食品が、全国のスーパーなどに流通するのが当たり前になった時代です。

 

私の家では、仕事を持つ母に代わっておばあちゃんが食事を作っていました。「いいものを食べると、いい人生を送れる」という信念を持つおばあちゃんが作る料理はどれもおいしく、体にいいものばかり。そのおかげで私も丈夫にすくすくと育っていました。

 

ところがその頃、テレビでは盛んにお菓子のキラキラしたコマーシャルが流れていました。それを見て子ども心はときめき、お店に行けば魅惑のパッケージについ手が伸びます。子どもたちは、食べると舌が紫色に染まるような人工的なお菓子に夢中になりました。でも、おばあちゃんは「紀子、そんなん食べたらあかん」と家の敷居をまたがせませんでした。そのかわりに、学校から帰ると柴漬けのおにぎりなどがおやつに待っていました。

 

私はよく、「今までの人生で一番おいしかったものを教えてください」と人に聞きます。人それぞれの答えが興味深いのですが、私はと言えば実はその柴漬けのおにぎりなのです。

 

食品のバイヤーという仕事柄、今まであらゆる食べ物を数万食以上、試食してきましたが、いまだにこのおにぎりを超えるおいしさには出会ったことがありません。

 

なぜかな?と考えると、やはりおばあちゃんが孫を思って、心を込めてにぎってくれたからだと思うのです。

 

もちろん中学生になると、隠れて友達と公園でコーラを飲み、ポテチやハンバーガーを食べたりもしました。思春期の女子がファストフードの魅力に抗えるわけがありませんから。

 

添加物を使わずに手間暇かけてつくられたもののおいしさ

先ほども書いたように仕事柄、何万食も試食をしてきました。そのせいか、私の舌は「甘い」「しょっぱい」「苦い」などの味のほかに、その食べ物が愛情を持って作られたかどうかもわかるんです。それってどういう感覚?と聞かれてもうまく説明できないのですが「不思議とわかるんです」としか言いようがありません。

 

試食をして「おいしい!」と感じると、お取り引きの交渉をするためにその生産者さんに会いに行きますが、今までの経験から言うと、作っている人たちはほぼ100%オタクです。「おいしものを作りたい」それだけを考えている人たちなのです。

枝の上で完熟したトマトだけをしぼった「トマトの中のトマト」。3000円(1l),1600円(500ml)(ともに税抜)

たとえば、「トマトの中のトマト」というジュースを作っている北海道の多田さん。90歳の「トマト博士です」。農薬を使わずに育てたトマトを、明日には枝から落ちてしまいそうなギリギリまで完熟させて、「いまだ!」というタイミングを見計らって収穫。その実だけでジュースを作っています。

専用の部屋で大事に保存された卵を使って、熟練職人が手作業で焼く長崎和三盆かすてら。一日に限定数しか焼けない「琴海の心」1000円(税抜)

長崎の小さな店で職人さん親子が作るカステラ「琴海の心」は、長崎中のカステラを試食した中でも格段においしく、その場にいた全員が「わーっ!」と感動した味です。極上の和三盆糖、純米の水あめ、そして毎日届けられる新鮮な卵を使って、昭和45年製のオーブンで焼いていますが、その卵は一定温度と湿度に保たれた卵専用の部屋で保管されています。生きている材料を大切に大切に扱っているのです。

すべての梅にまんべんなく太陽光が当たるように育てられた佐々木農園の梅。あとは塩だけで抜群においしい。「あの日のうめぼし」560円(税抜)

「あの日の梅干し」をつくっている和歌山の佐々木農園の梅の木は、ほかの農園と違ってまばらに生えています。しかも枝はV字に剪定されています。それはすべての梅の実にまんべんなく日の光が当たるための工夫。梅そのものがとびきりおいしいので、塩以外の味は必要ありません。

 

ほかにもたくさんのオタク生産者の方々とお取り引きをしています。みなさん、こだわりが強くて、あたたかくて、優しくて、食べる方のことだけ考えている個性的な方々ばかりです。

 

プライドを持って、最高を目指す生産者さんが作る「おいしい」だけを集めたお店があったら!と始めたのが「グランドフードホール(通称グラホ)」です。兵庫県の芦屋に本店があり、2018年に東京の六本木ヒルズにもオープンしました。

 

「おいしい」にとことんこだわって、全国から集めてきた品々は、結果的に添加物を使わない、使ってもほんの少しだけ、のものでした。

 

本来、「おいしい」と感じるものは体が必要としているものです。だから、のどが渇いているときの水はおいしいし、疲れているときの甘いものはおいしいのですね。

 

添加物は、コストをかけずに目指す味に近づけるため、おいしそうな見た目にするため、賞味期限をのばすためなどに使われます。決して体が必要としているから使うのではなく、企業が利益を出すために使われているのです。

 

添加物を極力使わずに、生産者が手間暇かけて作ったものを選べば、体も健康になります。おいしいもので健康になりたい。今、みんながそう願う時代。

 

どうしたら、そうした「おいしい」を選べるか、次からお話していきましょう。

 

※商品はすべてグランドフードホール芦屋店・六本木店で扱っています。

>>次の話 (11月1日配信)

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