外したマスクはどこに置けばいい?コロナ禍の「新しいおつきあいマナー」
大勢で集まることができなくなり、結婚式や葬儀の形にも変化があるなど、コロナ禍ではおつき合いの仕方にとまどうことも。どうしたらスムーズなおつき合いができるのか、「マナーは思いやりの心」と言う岩下宣子さんに伺いました。
日頃のおつき合いで気をつけたいことは?
日頃のおつき合いの中でのお悩みを読者から集めました。コロナ禍ではどう対応するのが正解? 岩下さんが解決します。
Q 訪問先でお茶をすすめられたとき、マスクは外していい?
外すならどうしまえばスマートですか?
(たんぽぽさん・61歳/神奈川県)
A 相手の様子を見て。外すときは内側が見えないように。
お茶を飲むときは外し、おしゃべりをするときには、またマスクをつけるのが基本になると思いますが、まず、相手がどうするか、様子を見ましょう。
相手がマスクを取らずにずらしてお茶を飲んだのであれば、同じようにします。相手のやり方に合わせることも一つの方法。マナーに正解はありません。お互いに相手を慮るのが大事です。
「マスクを外してもいいかしら?」と聞いてみるのもいいと思います。聞けば、相手も「そうね」とか「おしゃべりのときはしましょう」とか、何か言ってくれるはずですから。
外す場合はそのままテーブルに置かず、汚れた内側が見えないようにたたんでマスクケースに入れ、バッグにしまいましょう。
Q 友人を自宅に招くとしたら、ホストとして
どんなことに配慮するべきですか?
(A・Oさん・57歳/石川県)
A 感染対策は万全に。
「自分が招かれたら」と置き換えて考える
お友達が安心して来られるように考えましょう。声をかけるときには「いろいろ対策をしているので、よかったらいらしてください」と案内しましょう。感染症対策には床のふき掃除も大事だといわれているので、床や畳などはきれいに掃除をしておきます。お迎えするときには、まず洗面所に案内して手を洗っていただくと、お友達も安心できるのでは。小さなタオルを複数用意して、1回につき1枚を使うようにします。使い捨てのペーパータオルでもいいでしょう。1時間に1回は「換気しますね」と言って窓を開けます。
楽しいとつい長くなりがちですが、「こんなときなので、2時間くらいでお開きにしましょうね」と事前に伝えておくと、招かれた側も気が楽なのではないでしょうか。
Q 習い事の先生のお宅に招待されました。
訪問の際、注意すべきことを教えてください
A コートは外で脱ぐ。
いつもより早めにおいとまを
個人のお宅を訪問する場合は、約束の時間より少し遅れていくのがマナーです。コートは、外のちりやほこりを持ち込まないために、玄関の外で脱ぎます。特にコロナ禍ではこれが大事です。外で脱いだら必ず裏返しにしてたたみ、玄関の端の邪魔にならないところに置きましょう。
電車などで移動してきて手を洗いたいところですが、先生から「どうぞ」と案内されなければ、自分から「手を洗わせてください」と言うのは遠慮したほうがいいでしょう。洗面所など水回りはプライベートな部分であり、掃除や片づけができていないと、「他人に見られるのは恥ずかしい」と思う人もいます。携帯用のアルコールスプレーや除菌ペーパータオルなどを持っていくといいでしょう。
どんなに楽しくても長居しないのが訪問マナーの基本。相手に「いつ帰るのかしら」と思われるまでいるのは避けます。楽しかった余韻を残してお別れするのが最もよい、おいとまのタイミングです。お茶であれば1時間から1時間半、食事であれば2時間から3時間が目安です。
気になる「マナー」記事の全編は発売中の『ゆうゆう』2021年3月号(こちら)に掲載されております。
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教えてくれたのは・・・
岩下宣子さん
いわした・のりこ●現代礼法研究所主宰。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原
流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。多数の企業、公共団体での指導、講演、執筆などを行う。『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など著書・監修書多数。
取材・文/田﨑佳子
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