突然の「異動辞令」で頭が真っ白にならないためには
そろそろ異動の時期ですね。突然の辞令、異動の指示に頭が真っ白にならないようにするには?
考えてもいなかった配属を言い渡されたその時のために、考えておくことを教えます。
何百年も前から、人事異動は突然行われている
春になると、会社組織も新しくなり、自分も思わず移動になるということも多いですね。その決定が、希望と違うことも、自分の能力でやっていけるのかと思うこともあるでしょう。
そんな時は、付帯する気分や思いに目を向けず、具体的にするべきことを見つけて、一つ一つやることが大切です。
つまり、新しいところで待っている漠然とした不安に付き合うことはなく、新しいところでやるべき具体的な行動を探すのです。
臨済宗の修行では、何年も道場で、坐禅、托鉢(たくはつ)、作務(さむ)と基本的なことをやるのですが、その生活全般にわたって、お世話をする役が決まっています。
お客さんの応対をする人、財務の責任者、日常の記録やもろもろの手配をするひと、食事を作る人、など円滑な修行生活には、欠かせない人たちがいます。
この当番は、半年ごとに発表され、発表されるまで誰がどの役につくかわかりません。その役に決まれば半年間同じことを繰り返し、落ち度のない様に行います。
いちばん大変な役割は2人で担当する
それら役職の中でも、一番大変であり、道場でも1番か2番に古い人が監督するのが、食事当番の典座(てんぞ)です。
典座は、その古い修行僧と2年目くらいの修行僧が、一緒に指名されます。食事は、一番揉めることが多いので、そのような組み合わせになるのです。
2年目側が一生懸命作るのですが、一生懸命やっても失敗することがあります。そんな時は、この古い監督役の修行僧が調整してくれて、大きな問題にならないようになっています。
私も典座をしていた時に、一度だけ米を芯がある状態で炊いてしまいました。先輩が「うどんを茹でますので、失礼しました」と言ってくださり、ことなきを得たことがあります。
20人分の食事を作るという、大変な役なのですが、それが半年に1度交代するわけです。
当たった人によっては、気持ち悪くなる人もいるくらいのプレッシャーです。
次の日、部屋を引っ越したら、その夕方から食事当番スタートです。
そんな時に、半年も何を作ったらいいのかと不安になる必要はなく、次にすべき具体的な行動を思い浮かべるようにすると、頭が真っ白にならずにすみます。
まずは、うどんを茹でる。
薪は、このくらい持ってくる。
とりあえず昆布で出汁を取ってみよう。
そんな風に具体的な行動を1つ1つ始めてみながら、不安に振り回されないようにすることです。
禅語がヒントに!
禅語に「随所主となれば、立処皆真なり」という言葉があります。
「どんな所、どんな立場になっても、自分が主人公だと思って具体的に行動していれば、自分のいる場所で活き活きとした本来の自分を体感できる」ということです。
ちょっと合わないかもと、仕事を完全に放り投げて、世界の各地に自分探しの旅に出る人もいるかもしれませんが、旅している自分を認めないで、世界のどこに行ったって自分を探し当てることはできません。
どうか皆さんは、不安に振り回されず、新しいところに踏み込めるマインドフルな心持ちでお過ごし下さい。
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