セックスレス。したい私と、したくない夫。【40代、50代の性のリアル】#5(後編)
不完全燃焼の日々
早いうちから気持ちよさを知ったので、依存症といってもひとつひとつのセックスは楽しんできた。自分が快感を得るために相手にどう動いてほしいかも、言葉にして伝える。性に対して積極的でもあった。
若いころと比べると減ったとはいえ、いまでも自分の性欲をはっきりと自覚している。だから、夫に「したい」というがセックスフルにはほど遠い。月イチのセックスもなんだか不完全燃焼だ。
「なんで私はこんなにしたいんだろうというのを深く追求すると、虐待の記憶と結びついて自分のなかでバランスがとれなくなります。だからできるだけ見て見ぬふりをしようとするのですが、ココロもカラダもしたいといっている……その状況がしんどいですね」
性欲だけをなんとかしたいのであれば”自分でする”という選択肢もある。が、サトミさんの「したい理由」は相手ありきなのでそれでは満たされない。そんな彼女に、今後どうしたいですか? と訊いてみた。
私と夫、どっちが先か
「私の性欲がなくなるのが先か、夫がEDになるのが先か。後者の場合、本人が自分の意思でバイアグラなどの薬を飲むならいいんですけど、私がしたがっているから仕方なく……っていうのはイヤなので、そうなったときが諦めどきかな。でもそれより先に、私が浮気をする日がくるかもしれない」
マッチングアプリでセックスの相手を探すことはできなかったけれど、とサトミさんはつづける。
「この人ならしてもいい、したい、と思える相手と今後どこかで出会わないともかぎりませんよね。でもそうなったら、私は潔癖症ゆえにひとりの人としか関係を結べないから、家庭を崩壊させてしまうと思います。子どもはかわいいし、もしそんな理由で離婚になったら親権は父親側にいきそう。だからそんな危険なことはできない、でもちょっとしてみたい気もする……あと5年間くらいはそんな気持ちのあいだで揺れ動きそうです」
【編集部より】
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