場面に合わせて使い分けできてる?敬語「行く」のいろいろ

2021.07.12 QUIZ

対象によって変化する敬語はいくつかあります。「行く」もその一つ。尊敬語の「行く」と謙譲語の「行く」は言葉が違います。また謙譲語の「行く」にはさらに2つのパターンが。今日はそんな「行く」の敬語をチェック!

 

問題です。図の四角には、「行く」の敬語が入ります。何か分かりますか?

ここでパッと答えが出た人は優秀ですね!
実は、最近の学校(2008年~)では、敬語の分類は5種類で教えています。
尊敬語、謙譲語 I 、謙譲語 II(丁重語)、丁寧語、美化語です。
私が塾で指導していた頃は、丁重語と美化語はありませんでした。
今日答えてもらうのは、「行く」の尊敬語、謙譲語 I と謙譲語 II(丁重語)です。

まずは、「行く」の尊敬語を考えてみましょう。
例文として「先生が会場に……」とあります。
一応、ここでは「先生」は尊敬する人物として話を進めますね。
というのも、敬語を使う時には「その人物を心から敬って述べる場合」「その状況でその人物を尊重する述べ方を選ぶ場合」「その人物に一定の距離を置いて述べようとする場合」など、様々な場合があるからです。

さてさて、「先生が会場に行く」という内容の文を考える場合、先生を立てた言い方は何でしょう?
これは簡単ですかね。

 

答えは……

 

どうでしたか?答えられましたか?
「先生が会場にいらっしゃる」です。
これは大丈夫ですよね。元から「尊敬語」としてよく知られている言葉です。
それでは、次の問題です。

謙譲語の方です。謙譲語には2種類あります。
まずは謙譲語 I です。
例文として「私が先生のところに……」とあります。「私が先生のところに行く」これを敬語に直すわけです。

 

答えは……

 

そうです。正解は「うかがう(伺う)」です。
こちらも「先生」を立てる意味となります。

謙譲語 I について「敬語の指針」文化庁より

「先生のところに伺いたいんですが…… 」と述べる場合 「先生のところに行きた いんですが(先生のところを訪ねたいんですが)…… 」と同じ内容であるが 「行く(訪ねる 」の代わりに「伺う」を使うことで )「先生」を立てる述べ方になる。この ように 「伺う」は <向かう先> に対する敬語として働く。この種の敬語は,一般 に「謙譲語」と呼ばれてきたが,ここでは「謙譲語II」と区別して,特に「謙譲 語I」と呼ぶこととする。

では、最後の四角には何が入るでしょう。
こちらももともと3分類だった時に「謙譲語」に分けられていた言葉です。

 

答えは……

 

そう、こちらには「まいる(参る)」が入ります。

こちらは謙譲語 II ということですが、どうして I と II の区別ができてきたかというと、この謙譲語 II は、自分の行為を改まった述べ方で述べているわけで、それを今では謙譲語 II(丁重語)としているのです。

謙譲語IIについて「敬語の指針」文化庁より

「明日から海外へ参ります 」と述べる場合 「明日から海外へ行きます 」と同じ内容であるが 「行く」の代わりに「参る」を使うことで,自分の行為を,話や文章 の相手に対して改まった述べ方で述べることになり,これが,丁重さをもたらすことになる。このように 「参る」は<相手>に対する敬語として働く。この種の敬語は 一般に 謙譲語 と呼ばれてきたが ここでは謙譲語Iと区別して,特に「謙譲語II」と呼ぶこととする。

敬語の種類は3つから5つに増えましたが、複雑になったわけではなく、より分かりやすくなったと言えます。文化庁でも公表されている表を掲載しますね。

どうですか?左から2マス目の「型」なんて、覚えやすいと思いませんか?
ぜひ、普段の会話に、ビジネスにお役立てください。

【編集部からアンケート】 よりよいページづくりのために、
「あなたのこと」をお聞かせください!

▶ご協力くださる方はコチラから

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク