「ホームに祖母をあずけたことを後悔する母にかける言葉は?」町亞聖編【オトナLab.】vol.10

2021.12.18 LIFE

短期リレー連載、【オトナLab.】vol.10です!

オトナ世代特有の多岐に渡るお悩みを、テレビや雑誌などで活躍するエキスパートたちが答えてくれるリレー連載も今回がラスト!

多数の質問の中から、エキスパートが自らお答えするものをセレクトしました。

vol.10にお答えいただくのも、フリーアナウンサーの町亞聖さんです。

 

「祖母の世話をし切れなかったと悔やむ母。最期は母娘の時間を持ってほしい…」

(質問者/37歳・会社員)

私の母方の祖母が約10年前から認知症を患い、しばらくは同居している母が祖母の面倒を見ていました(私自身は夫と結婚していて実家を出ています)。ですが、介護が3年くらいしたとき、徘徊や下の世話など母の手には負えない状況になり、実家からすぐの介護付き老人ホームに泣く泣く入居させることになりました。母は自分の手で世話をしてあげられなかったことを悔いており、その気持ちが強いせいで老人ホームに入居したての頃、顔を見に行く度に泣いてばかり。母自身のメンタルも崩壊しそうでした。周囲もそんな様子の母をみかねて「無理にお見舞いいくことないからね」と言ったこともあり、次第に足が遠のき、ここ3年くらいは全く母は祖母と会っていません。その分、同居はしていなかった母の兄弟が頻繁にお見舞いにいってくれてるので、わからないながらも祖母も寂しい思いはしてないと思うのですが…。ただ、そろそろ祖母もいつ往生してもわからない状況で、最後まで母娘が顔を合わせなくていいものかどうか、、私としてはお母さんにおばあちゃんと会ってほしいのですが、これは私のわがままでしょうか?こんな風にいうと母をもっと苦しめそうな気もして、どうすればいいかアドバイスいただきたいです。

 

母を想う娘の気持ちは必ず届くはず…

町先生の大人VOICE▼▼

まず「誰も悪くない」ということをお母様に伝えてあげて下さい。認知症により様々な症状が出ますがそれはお婆様にも不安があったからであり、初めての認知症の介護にお母様が戸惑ってしまったこともやむを得ないことだったと思います。

認知症当事者による発信やインターネットなどでも認知症に関する様々な情報が手に入るようになりました。ですが頭では分かっていても、いざ自分の親が認知症になり変わりゆく姿を目の当たりにするとほとんどの人が混乱し上手く対応できていません。何故なら家族は本人の元気だった頃を知っているから…。

「あんなに優しかった母が」「あんなに矍鑠としていた父が」と受け入れられない拒絶の気持ちや、哀しみや怒りなど複雑な感情が入り混じります。理性的になれないのはお母様だけではありません。日々、認知症の方に介護のプロとして接している専門職でも「町さん、やっぱり自分の親だと難しいですね」と本音を漏らすことがあります。

介護保険制度ができてもう21年も経ちました。介護サービスを使うことや介護施設を選択するのは当たり前の時代です。施設を選択したことは間違いではなく背負いきれなかったケアは専門職に任せ、お母様含めて家族にしか出来ないことに心を尽くして下さい。

認知症になって色々なことを忘れてしまっても心は生きています。そして認知症でも「母は母」であり介護の辛い思い出だけではない、お婆様とお母様が積み重ねてきた長い歴史があるはず。そんな母娘が共有してきたかけがえのない思い出を振り返ることは家族だからこそ出来ることです。

お婆様がどんな人生を歩んで来たのか、元気な頃どんな人だったのかなど、今暮らしている介護施設のスタッフのみなさんに語れるのはお母様しかいないのではないでしょうか。

明らかなのはこのまま逢わずにお別れしたら必ず後悔するということ。そしてその悔いを一生抱えて「介護、その後」の時間を過ごすことになるということです。

過去は変えられませんが「今」を変えることは出来ます。小さな一歩としてお母様の幼い頃のアルバムを一緒に見て家族でお婆様の話をしてみてはいかがでしょうか。相談者の方も知らないお母様とお婆様に出逢えるかもしれません。

きっとお母様が1番”お母さん”に逢いたいはずです。母を想う娘の気持ちは必ず届くと信じています。

 

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この記事を書いたのは
フリーアナウンサー 町亞聖

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