「ヤングケアラーだった私。今後は自分の幸せを望んでいい?」町亞聖編【オトナLab.】vol.9

2021.12.11 LIFE

短期リレー連載、【オトナLab.】vol.9です!

オトナ世代特有の多岐に渡るお悩みを、テレビや雑誌などで活躍するエキスパートたちが答えてくれるリレー連載。

多数の質問の中から、エキスパートが自らお答えするものをセレクトしました。

vol.9にお答えいただくのは、フリーアナウンサーの町亞聖さんです。

 

「ヤングケアラーを経て40代を迎えた私。自分の幸せを望むのはぜいたく?」

(質問者/43歳・教員)

母とふたり暮らしです。父は私が中2の時に他界、働きづめだった母は私が高3の時に脳梗塞で倒れ、半身に麻痺と高次脳機能障害が残りました。以来2歳年上の姉と分担して介護をしながら学生→社会人生活を送ってきましたが、12年前に姉が結婚。地方に移住したため、それからは私ひとりで母の面倒をみています。青春らしい青春を経験せず、恋愛も結婚もせずに43歳になってしまいました。仕事面でも母の介護と掛け持ち状態のため、単年契約の仕事を選び、定期的に休職期間を設けながら働かざるをえませんでした。幸い資格を所持しているため断続的にでも仕事を得られることはありがたいのですが…。若くして要介護になったため、母の介護はまだ道半ばでこれからも続きます。教員を仕事に選んだくらいなので元々子供は好きでしたが、年齢的にもそろそろ諦めざるをえません。母のことはもちろん大切ですが、自分のメンタルの限界も感じています。私自身の人生を歩みたい。それは贅沢な悩みでしょうか。ヤングケアラーとして勝手にシンパシーを感じていました町さんにただただ話をきいてもらいたいという思いで吐き出しています。とりとめのない内容で申し訳ございません。

 

「出来ないことではなく出来ることを数える」という発想の転換を…

町先生の大人VOICE▼▼

まずはお話してくれて心から感謝です。最近「ヤングケアラー」が注目されるようになりましたが本当にようやくかという思いでいます。私自身が母の介護に直面したのは相談者の方と同じ高校3年の時で30年前のこと。

青春らしい青春も経験せず…という想いもよく分かります。母の介護や幼い弟妹の世話など長女だった自分が全てやるしかなく、同世代のように過ごせない状況の中で誰にも相談できず「何故、私だけが」と幾度となく思いました。私もいまだ独身ですが母のせいにしてしまうともう20年前に他界していますので私のせいではない!?と母に怒られそうです(苦笑)。

現在進行形でお母様の介護が続いているとのことですが、それでも必ず「介護、その後」はやってきます。そんな中で、ご自身の人生も大切にしたいと願うことは当然でありちっとも贅沢なことではありません。

ただ高校生の時は「自分達がやらなければ」と、お姉さんが嫁いでからは「自分が」と強い責任感を持って介護をしてきた相談者の方は、第三者の手を借りて物理的な負担を軽くできたとしても、心の何処かで途中で大切な母の介護を投げ出してしまった…と後悔する気がします。

相談者の方がお母様を大切に思うようにお母様もきっと娘の幸せを願っているはず。介護は“写し鏡”のようなもので、介護する側の辛さは介護を必要とする側の申し訳なさに繋がってしまいます。自分らしく生きる選択は共に歩んできたお母様のためでもあると思いますので、どうかこれまでの介護人生を否定せず、納得して選択をして欲しいと思います。

「出来ないことではなく出来ることを数える」という発想の転換をすることで、時間をかけてですが、私は若くして重い障害を負った母のことや自分の人生も肯定できました。介護のせいでと思うのか、介護の経験をしたおかげでと思えるか…人生に起きたことを意味あるものに変えられるかどうかは自分次第です。

ヤングケアラーの当事者になったことで同じように生き辛さを抱えた人の想いを伝えたいという目標が持てた私は、伝え手の仕事に出逢うことが出来ました。また車いすでも気兼ねなく外出できる社会にしたいと大学生と一緒にボランティア活動もしていて遅ればせながらではありますが青春を味わえています。娘ほど歳の違う学生達に教えられることもありますし、50を過ぎて一生のパートナーに出逢ったケアラーの先輩からは「町さんまだまだいけるわよ!」と励まされています。

命を繋ぎたいという切実な想いも痛いほど分かります。簡単に大丈夫とは言えませんが、40代前半の相談者の方にはまだ諦めて欲しくないです。私の場合は18歳で母の介護に直面した時から、子供3人を育てた母とは違う人生を歩む予感はどこかであったような気がします。実は私も子供が大好きで、今は”あーちゃん”と慕ってくれる姪っ子甥っ子が癒しの存在です。

「幸福の形」はひとりひとり違っていいと思います。教員をされている相談者の方なら色々な生き方があると子供たちに語ることで”繋ぐ”という役割を果たすことも出来るのではと思います。何より私自身がそうでありたいと願っています。出来ないことではなく出来ることを数えながら、これまでの人生も、そしてこれからの人生も大切にしながらお互い生きていきましょう。

 

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この記事を書いたのは
フリーアナウンサー 町亞聖

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