【敬語】正しいのはどっち?目上の方に聞くとき、郵送先の住所を「お聞かせください」「お聞かせ願えますでしょうか」
敬語とは、話し手や書き手が、相手や話題にのぼっている物事・人物に対して敬意を表すもの。日本語では、敬意の表し方によって尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つに分けられます。
ただ、会社や仕事などで出会うさまざまな人と敬語で話すとき、「尊敬語・謙譲語・丁寧語をうまく使い分けられているか、自信がない」という人も少なくないのでは?
そこで本記事では、敬語クイズを出題していきます。
目上の方に郵送先の住所を尋ねる際、あなたはなんと言いますか?
第1問:正しいのはどっち?
ビジネスシーンでは、時に相手の予定やご意向などを尋ねる場面に遭遇します。「お聞かせ」は「聞かせ」に「お」がついた丁寧な表現ですが、問題はこの後。「〜ください」と「〜願えますでしょうか」、どちらが目上の方に聞く際に適切だと思いますか?
正解は…
「お聞かせ願えますでしょうか」です。
目上の方に郵送先の住所を尋ねるわけですから、請求することを表す「くれる」の尊敬表現、丁寧表現として「ください」でも良いのでは?と感じるかもしれません。ただ、この「ください」には人に命令する意味合いが含まれているため、目上の方には失礼に思われるかもしれません。
目上の方に使う場合には、「ください」の部分を「願えませんか」と願望を伝える表現に置き換えましょう。本記事の答えのように「〜願えますでしょうか」と聞けば、「お聞かせ願います」「お聞かせ願えませんか」よりも丁寧な印象を与えます。
他には「お聞かせいただけませんか」が挙げられます。「ください」を「いただく」に置き換えることで、命令する意味合いがなくなります。「ご意見をお聞かせいただければ幸いです」「お聞かせいただきたく存じます」もおすすめです。
なお「お聞かせください」は、自分と同等の立場の人や目下の人に聞く際は問題なく使うことができます。
「おっしゃって頂けますでしょうか」について
目上の方から聞き出す際、「おっしゃって頂けますでしょうか」と尋ねるのはどうでしょうか。「おっしゃって頂く」は二重敬語で間違っていると思われがちですが、実際には
- おっしゃる 言うの尊敬語
- いただく するの謙譲語
が繋がったもので、文法的には問題のない正しい敬語です。
ただ、「おっしゃって頂く」の表現に違和感を感じる人も少なくないため、「お話しいただく」と置き換えたほうが自然な表現に感じられるはずです。また本記事で紹介した郵送先の住所を尋ねる事例の場合、住所を「お話しいただ」きたいわけではないはずです。「お聞かせ願えますでしょうか」または「お教え願えますでしょうか」と尋ねることをおすすめします。
出典>>【敬語】正しいのはどっち?目上の方に聞くとき、郵送先の住所を「お聞かせください」「お聞かせ願えますでしょうか」
目上の人に挨拶するとき、あなたはなんと言いますか?
第2問:正しいのはどっち?
仕事終わり、目上の人に挨拶するときに声をかけると思います。「ご苦労様です」も「お疲れ様です」も労をねぎらう言葉ではありますが、どちらか一方は、目上の人が目下の人に使うのが一般的。目上の人に使ってしまうと、上から目線に捉えられてしまう可能性も…。
正解は…
「お疲れ様です」です。
先で紹介したように、どちらも相手の労苦をねぎらう言葉なのですが、
- ご苦労様 目上の人から目下の人に使う
- お疲れ様 同僚や目上の人に対して使う
のが一般的です。
「ご苦労様」と「お疲れ様」の根源について調べてみると、「ご苦労様」は古くから利用されていた言葉であり、立場に関わらず使えていたようですが、時代とともに「ご苦労様」は目上の人から目下の人へ使う言葉へ、立場を問わず労える言葉として「お疲れ様」が定着していったようです。やや古い情報ですが、文化庁が平成17年度に発表した「国語に関する世論調査」では、
<目上の人にどちらの言葉を使うか>
- ご苦労様でした 69.2%
- お疲れ様でした 15.1%
<目下の人にどちらの言葉を使うか>
- ご苦労様でした 53.4%
- お疲れ様でした 36.1%
という結果になっています。
なお、社外の人に対しては、ねぎらいの意味があっても「お疲れ様」と使わない方がベター。「お疲れ様」は目上の人に使ってもOKな言葉ではありますが、ビジネスシーンにおいてその対象は社内に限定されます。社外の人への挨拶やお礼を伝えたいときには「お疲れ様」ではなく「ありがとうございます」「いつもお世話になっております」などと伝えましょう。
参考元:御疲れ様とは – 小学館 デジタル大辞泉
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