間違った「すごい」の使い方は、こう言いかえれば恥をかかない
文法的に間違っていることで有名な「すごい綺麗」「すごい美味しい」などの言葉。口癖になってしまっている人も多いのでは?
「そんなこと気にしないよ」と言ってくれるのは友達だけですよ。
では、この誤用、なんと言いかえたらいいのでしょう?
いまさら人に聞けない、どうしてダメなの? 理由その1
「すごい」は形容詞です。形容詞は名詞に付きます。
正しい使い方の例
- 私はそのお店ですごい人に会ったのよ。
- 風が強くてね、ドアを開けようと思ったんだけど、すごい力で押し戻されちゃった。
- 彼女があんなに綺麗なのはね、すごい努力家だからなのよ。
ところが名詞以外のもの、特に最近では形容詞に付ける割合が、若い人の間で多くなってきています。
誤った使い方の例
- ○○先輩、すごい広い家を買ったんだって。
- 部長に、すごい美味しいご飯をご馳走になっちゃった。
- 今日のパーティ、すごい楽しい!
この3つの文はこう言うのが正解
- ○○先輩、すごく広い家を買ったんだって。
- 部長に、すごく美味しいご飯をご馳走になっちゃった。
- 今日のパーティ、すごく楽しい!
形容詞+形容詞がダメだというわけではありません。ただ、その場合は、前の形容詞を変化させる必要があります。必要がありますなんて書くと文法ガチガチのイメージですが、そうではなく、自然とそうしているということです。
「すごい」以外の例
- あの子、細くて長い足だよね。→「細い」+「長い」
- この店は、美味しくて安いハンバーグが売り。→「美味しい」+「安い」
ですから、「すごい」+「形容詞」がNGなのです。もし、どうしても「すごい」を使いたければ「すごく」と言えばいいということになります。
「えー、すごいめんどくさい」(誤用)と思ったあなた、もう少しだけおつきあいください。
なぜ少し野蛮に感じるのか。どうしてダメなの?理由その2
池の氷もえもいはずすごきに、童女下ろして、雪まろばしせさせたまふ
池の氷がきらきら光るのもすごかった。源氏は童女を庭へおろして雪まろげをさせた。
(源氏物語より)
私が「すごい」を使わない方がいいよと、女性にアドバイスするのには、もうひとつ理由があります。
すごいには、もともと「恐ろしい」というニュアンスがあります。「ぞっとするほど」と言い換えられるのもそういう意味からです。そのゾクゾク感から転じて、良い意味でも使われるようになりました。「すごく美しい」は「ぞっとするほど美しい」の意味で、言葉の使い方に関して言えば、「ゲロうま」に近い感覚なのです(笑)。
また「なんだかすごいことになってきた!」と言えば、本来は悪い方への変化を表しますが最近では「ぞっとするほどわくわくする展開だ!」の意味を表しますね。つまり、この「すごい」は少しだけ野蛮なのです。
では、どう言い換えたら、いいのでしょうか。
大人の女性はそこを何と言ったらいいの?
あなたが仮に男性だとして、好きな女性に花を贈った時、どんなふうに言われたら「可愛い」と思いますか?
A わあ、すっごい綺麗!ありがとう!
B わあ、とっても綺麗!ありがとう!
そして、この「とっても」の「っ」を取るとかなり子供っぽさが抜けます
わあ、とても綺麗!ありがとう!
可愛らしさを残したいのであれば「とっても」のままでOKだと思います。
(参考)
「『印象をよくする言葉遣い』のポイントは小さい〇〇にあった!」
https://otonasalone.jp/18175/
では、この「とっても」を使って、最初の方に出てきたフレーズを言い換えてみますよ。
- ○○先輩、すごい広い家を買ったんだって。
- 部長に、すごい美味しいご飯をご馳走になっちゃった。
- 今日のパーティ、すごい楽しい!
- ○○先輩、とっても広い家を買ったんだって。
- 部長に、とっても美味しいご飯をご馳走になっちゃった。
- 今日のパーティ、とっても楽しい!
どうでしょう?「すごい」を使うより少し品格が上がった気がしませんか?
このように、もともとネガティブだった言葉をわざと良い意味に使った言葉には、少し乱暴なクセが残っているものです。友達同士であれば、「すごい」や「めっちゃ」「ちょー」などの言葉もフレンドリーで良いと思いますが、少し品格を上げる為に、ぜひ「とても」を使ってみてください。あなたの印象がとても良くなりますよ。
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