オミクロン株「悪化するかもしれない人」意外とあてはまる条件とは?【療養看護師に聞く】

1月19日配信記事『「オミクロンに感染するとどうなる?」いま宿泊療養ホテルの看護師が見ている意外な現実』で感染爆発の序盤のできごとについて教えてくれた看護師・山下麻衣子さん(仮名・35歳)。「その後の10日で変わったこと」について聞きました。1月29日時点での談話です。

 

50歳以上、過去の喫煙歴、肥満傾向…重症化しやすい人は?

「感染した若い方の記事(「オミクロン?私は二度とかかりたくない」29歳夫婦が見た結構な地獄)、読みましたよ。正直、だれがどう重症化するか本当にわからないですね。医療関係者が重症と表現するときは命に関わる事態ですが、とはいえ辛さはご本人の主観ですし」

 

そう話し始めてくれた山下さん。この1年、関東近県の宿泊療養ホテルでコロナ陽性者の健康観察を担当してきた看護師です。

 

「過去1年見た限り、宿泊療養中に悪化しやすい顕著な要因の1つめは年齢でした。宿泊療養は基本的に65歳以下の方が利用するのですが、悪化の年齢の線引きは50歳以上、場合によっては45歳以上かもしれません」

 

この話を伺う担当者は51歳。思わず本当ですかと聞き返してしまいましたが、年齢だけでなく他の要因がいくつか関連してくる印象があるとのこと。

 

「もう一つ、何よりも肥満。かなりの確率で関連します。BMI30以上の方、ちょっと小太りな方は注意したほうがよさそうです。筋肉質であってもBMI30を越えるとリスクが増す印象でした」

 

体脂肪率を問いません。たとえばラグビー選手で例えると、五郎丸選手は大丈夫そうだけれど、稲垣選手の雰囲気だとちょっと気を付けてもらいたいと言います。

 

「最後に、喫煙歴もおそらく関係があります。現在禁煙していても、過去1日40本、10年20年吸っていたという人は警戒してください」

 

ただし、これらはデルタ株までの話。オミクロン株の、医療関係者基準での重症化はめったに起きず、山下さんが担当するホテルを含め、近隣ホテルから病院への搬送は年明け以降まだ数件に過ぎないそうです。

 

自宅で抗原検査キットを使うときの「意外な盲点」とは?

「宿泊療養ホテル入所者は、平均年齢がこの10日で10歳あがり、50歳以上の方がぐんと増えました。また、パパと小学生息子というような親子入所が減りました。第5波までは隔離期間短縮のために家族が二手に別れることもありましたが、感染力の強い第6波では家族がほぼ同時に陽性判定を受けるため、わざわざ別れる必要が薄れたのでしょうね」

 

感染者数が飛躍的に増大するに従い、医療逼迫の危機が叫ばれています。現在のところ、宿泊療養ホテルと保健所、搬送先病院との連絡は問題なく取れているのでしょうか?

 

「残念ながら、あらゆる機関がパンクしています。保健所は15日から20日ごろにほぼ連絡が途絶えました。病院も、病床はあるものの手前の外来がパンクしていて連絡がとれません。搬送する場合、外来で診察してもらってから入院判断をするケースも結構あったのですが、現状は入院ありきで直接搬送するしかない事態です」

 

街中のクリニックでも電話が1日中鳴りっぱなし、外来がさばききれていないと聞きます。これから自宅で市販の抗原検査キットを使って自分で感染判断をする機会が増えそうですが、使い方のタイミングはあるのでしょうか?

 

「1回チェックして終わりにしがちですが、接触が疑われる日から継続的に使えば安心度が増します。オミクロン株の潜伏期間は3日、長くて5日と考えられています。まず、接触のあった日にチェック、この段階で陽性が出ることもあります。次に、鼻水や咳、のどの痛みなどの症状が出た日。さらに、5日目めにもチェック、ここで出なければまず大丈夫という判断です」

 

ちなみにまで、風邪様の症状のうち、鼻水が気になる場合は抗アレルギー薬を飲んでみるのも手。止まるのであれば花粉症だろうと判断できるのだそう。

 

つづき>>>3回目ワクチン接種を受けてわかった「3回目の副反応」は…?

 

(個人特定を避けるため一部を編集していますが、コロナの病状にまつわる部分はご本人の体験通りです。また、体験を可能な限りそのまま迅速に伝えることを目的とするため、内容は生の声をそのまま納め、感染症専門家の査読を経ていません。趣旨ご理解の上お読みください)

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