更年期世代の「長引く関節の痛み」に受診が必要なワケ【医師に聞く】#3

「関節の痛み」シリーズの一覧

更年期世代の女性たちが「気になる」と反応する症状の1つが「関節の痛み」。この痛みには「気を付けるべきもの」と「それほど心配しなくていいもの」があるそうです。早期発見して治療につなげるべき「関節リウマチ(リウマチ)」のほか、危険はないけれど我慢をせずに治療を行うべき痛みも。その見分け方について、湘南リウマチ膠原病内科院長 上原武晃先生にお話しを伺いました。3回シリーズの3回目です。

1回目 更年期世代の「関節の痛み」今すぐ病院にかかるべき症状とは?【医師に聞く】#1

2回目 更年期世代の「長引く手指の痛み」どこで受診を判断すればいい?【医師に聞く】#2

関節リウマチの治療は「免疫の異常な働きを抑える」

痛み止めの薬は痛みの信号をある程度抑える働きがありますが、リウマチの場合はそれ以上に強い炎症反応が起きているため、痛み止めだけでは効きにくい。従って、痛み止めを飲んでも収まらない痛みが関節にある場合は、リウマチなどを疑う必要があります。

 

リウマチの薬は痛みを止めるのではなく、免疫の異常な働きを抑えることで関節に起きている炎症や将来的な変形を抑える効果があります。

 

代表的に使われるのが飲み薬で、治療の効果を確認しながら症状が強い場合は量を増やしていきます。飲み薬だけでうまくコントロールできない場合、最近は生物学的製剤という強めの薬も出てきて、注射や点滴を行います。

 

リウマチ・膠原病は免疫異常のため、現状では完治する治療法はありません。症状には波があり、薬で症状を抑えられてもまたぶり返すことがあります。また、薬も一定の副作用が出ることもあり、血液検査などによる定期的な安全確認なども必要となります。

 

一度飲み始めたら一生お付き合いを続ける薬ですが、完治はなくても薬を使って日常を支障なく過ごせる寛解の状態があります。

 

「長引く痛み」がある人、一度はリウマチを疑って受診してほしい

これまでの診察の中で残念に思うのは、年齢のせいだと痛み止めを出され続け、骨の変形が始まってからリウマチの診断を受けたが手遅れという方がまだまだいることです。

 

いまは早期発見すれば変形も抑えられるのに、疾患の啓もう活動がうまくいっていません。1回は専門の医療機関を受診し、今の関節の症状がリウマチや膠原病なのか、更年期やその他の関節症なのかなどを確認して、その上で放っておいていいのかを判断してもらいたいです。

 

整形外科でも血液検査はできますが、血液検査で出てこないリウマチが2割あるんです。これは診断に慣れてる人でないと分別が難しいため、専門医を探し出してほしい。地域の中核規模くらいの病院には専門外来があり、また、首都圏近辺ならばクリニックでもぽつぽつとあります。

 

最近は健康診断にリウマチ因子という項目がある場合もあります。一般にどのくらいの割合の人がどの年齢でどの程度このリウマチ因子を持っているかははっきりとはわかっていません。リウマチ因子が高い場合、半年~1年に1回程度専門医での確認が必要ということもありますが、これを受けておけば安心というものではないので、現状では専門医を受診してもらいたいです。

 

「関節の痛み」シリーズの一覧

1回目 更年期世代の「関節の痛み」今すぐ病院にかかるべき症状とは?【医師に聞く】#1

2回目 更年期世代の「長引く手指の痛み」どこで受診を判断すればいい?【医師に聞く】#2

 

お話/湘南リウマチ膠原病内科

院長 上原武晃先生

日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員 大学病院・市中病院を経て2019年神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原病内科を開院。2000例を超えるリウマチ膠原病専門診療の経験を通し、関節症状の鑑別、リウマチ膠原病疾患の早期発見早期治療、専門ケアに注力した診療を行っている。

神奈川県茅ヶ崎市美住町5-4

https://www.shonan-riumachi.com/

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この記事を書いたのは
OTONA SALONE編集部 井一美穂

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