「指の違和感」放置すると変形の可能性も。手指に不調を感じたときにすべきことは?【医師に聞く】

更年期世代に多い「手指の不調」。

痛みや腫れ、動かしにくさなどの症状を放置すると、最終的に骨が変形してしまうことも。

手指に違和感を感じたときには、どうしたらよいのでしょうか。対策のポイントを四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンター センター長である平瀬雄一先生に伺いました。

 

どうして症状が出るのか

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、1ヶ月周期で変動しています。
ここで問題なのはエストロゲンです。生理前に体が重くなったり、ふしぶしが痛くなる経験をした人は多いのではないでしょうか。これはエストロゲンが減ることにより関節周囲や腱、腱鞘周囲に存在する「滑膜」に腫れがおきているのです。同様に、更年期にエストロゲンが急激に減れば関節が腫れやすくなり、動かしにくさや痛みなどの不調を感じるようになります。

 

変形していない場合も放置は厳禁

病院にいらっしゃる方の訴えで1番多いのは「なんだか痛い」、その次に「変形してきた」、「指輪がいれにくい・ぬきにくい」ということです。指に違和感があるけれど変形していない皆さんは、腱鞘炎を起こしている場合がほとんどです。指が太くなるのも、滑膜に腫れがおこっているからです。

 

「そこまで困っていない」と思ってそのままにしておくと、関節の軟骨がけずれて、段々と変形していきます。7年から10年ほどで、レントゲンでも分かるくらいの変形が起こり、変形性関節症と病名が付きます。

 

エストロゲンの代わりになる物質「エクオール」

「実際にレントゲンをとってみると骨は変形しておらず、お医者さんからも『使いすぎ』『年のせい』と言われてしまった…」

という方は多いです。しかし放っておけば指の変形につながります。そんなときは、どうすればよいのでしょう。

 

更年期障害の根本的な治療法として最も有効なのは、エストロゲンなどの女性ホルモンを補充するホルモン補充療法(HRT)です。

しかし、HRTはエストロゲンの低下を軟着陸させるためのもので、いずれはやめなければいけません。また、乳がんや卵巣がんの既往がある人には使えません。

 

そこでいま注目されているのが、大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されてつくられる「エクオール」という成分です。エクオールは、女性ホルモンと似た働きをする成分で、更年期症状を和らげる効果が期待されています

エクオールを摂取することで、手指の痛みやこわばりなどの症状を抑え、関節の変形を予防することが期待できます。

 

エクオールは、大豆食品を摂取すると体内で産生されます。しかし腸内でエクオールをつくり出せるのは、日本人では2人に1人以下(約42%)と言われています。

エクオールが産生できる体質かどうかは、尿検査で調べることができます。

[エクオール検査 ソイチェック]
自宅で尿を採取し、ポストに投函。結果は約1週間でWEBで確認でき、充分な量のエクオールが作られているか分かる。4,180円(ヘルスケアシステムズ)

 

自分でエクオールを作れない人や、大豆を摂るのが難しい人は

自分がエクオールを作れない体質だと分かった場合、エクオールのサプリを飲みましょう。

そもそも、有効なエクオールを作るために必要なのは、納豆だと1日2パック(50g)、豆乳だと200cc、豆腐だと2/3丁。それを毎日摂取するのは大変です。エクオールを作れる体質の人でも、食生活の改善が難しい場合にはサプリがおすすめです。

エクオールを3ヶ月間摂取した人は、痛みなどの症状が明らかに改善したと学会でも報告があります。

 

手指の不調を感じたときに行くのは「手外科」

手指に不調を感じたら何科にかかればいいのか、迷う方もおられるでしょう。手指の不調は「手外科」でみてもらえます。
日本手外科学会のHPの中に「専門医を探す」という項目があり、病院を調べることができます。

 

まずはエクオール検査をして、手外科学会の先生を調べてみましょう。そこが第一歩です。

 

 

お話/四谷メディカルキューブ手の外科・ マイクロサージャリーセンター センター長 平瀬雄一先生


四谷メディカルキューブ 手の外科・ マイクロサージャリーセンター センター長

東京慈恵会医科大学卒業
米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学(Harry Buncke教授に師事)
米国デービスメディカルセンター客員教授
東京慈恵会医科大学 講師
米国サンフランシスコ市デービスメディカルセンター 客員教授
慈恵医大柏病院形成外科診療医長
埼玉成恵会病院形成外科部長(埼玉手の外科研究所)
2010年 四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンターのセンター長に着任

日本手外科学会認定専門医・理事
日本形成外科学会認定専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
日本マイクロサージャリー学会評議員
米国形成外科学会Corresponding member
米国手の外科学会International member
米国マイクロサージャリー学会Associate membe

 

■主な著書

『私の手はなぜ痛いのか、しびれるのか、曲がっているのか』(2020年 幻冬舎)

 

(構成/文 星雅代)

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この記事を書いたのは
主婦の友社 OTONA SALONE編集部

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