あなたは何型? おこなしさま5つのパターン 【おこなしさまという生き方 Vol.8】

産むことに理屈はいらないのに、産まないと理由が必要になるから困る。「産むのが白で、産まないのが黒」だとしたら、なぜ黒なのかと問われる。「人生で黒子を演じることに決めたの」とか、「私、腹黒だから」とブラックジョークで返しても、たぶんウケない。「どうして?」と聞かれても、理由によっては軽く口にできることではないので、基本は質問NGの案件ですけどね。

いずれにしても、子どもがいない“おこなしさま”には様々なパターンがあります。それぞれの経緯や事情で異なる部分はあるけれど、Vol.7のなかでも軽く触れたように、大きく分けて5つ。その型別に考察してみます。

1.子どもは持たないと決めた「選択型」

何らかの理由で、初めから子どもはいらないと決めているケース。例えば、独身を貫きたい、仕事に没頭したい、子どものいる生活が考えられない、子どもが好きではない等々。非難を覚悟の上でいうと、犬や猫がダメな人がいるように、子どもが苦手な人が一定量いても不思議なことではありません。なのに、「子どもが嫌い=冷酷な人間」と思われてしまうので、ひた隠しにしていると告白してくれた女性がいました。もし、世間体のために子どもを産んでも、可愛がることができないかもしれない。そう考えると、産まないと決めた彼女は間違った選択をしたとは言えません。女優・山口智子さんの女性誌での発言が反響を呼んだのも、「子どもを持たない選択」をしたことを堂々と公にした勇気への賞賛だったのではないでしょうか。自分の人生を自らの意志で選択したのなら、誰からも非難される筋合いはないはずです。

 

2.気がついたらタイミングを逃していた「見逃し型」

今でこそ子育て支援が声高に叫ばれているけど、かつて女性は「仕事」か「家庭」の二者択一を迫られました。1986年に施行された男女雇用機会均等法以降に社会進出を果たした「均等法第一世代」は、1965年~1969年生まれで現在アラフィフ。その当時は男性と同等に働く「総合職」を希望できたが、男社会で肩を並べて仕事をしていくには結婚や子どもは足かせになった時代。男尊女卑の価値観がまだ根強く、今ほど育休・産休の活用はなかったため、仕事をとるなら出産を見逃すしかなかった世代です。

次の「均等法第二世代」は、主に1970年前半生まれの団塊ジュニア。氷河期時代を乗り越え、与えられた機会を生かしてキャリアアップ。男並みにバリバリと働きながら仕事を優先して、結婚・出産を先送り。今はまだそのタイミングじゃないとチャンスを逃し、気がつけば出産のタイムリミットが過ぎていた例は少なくないもの。その頃は卵子が老化することも、今ほど知られていませんでした。時代に流された40代女性は“おこなしさま率”が高い世代でもあります。

 

3.不妊治療などの努力をしたけど授からなかった「断念型」

近年、晩婚化の進行と共に、不妊治療経験のある夫婦の割合は増加傾向。不妊治療は、いくら努力しても治療費をかけても、必ず結果が出るものではない。年齢が上がれば不妊症の比率は上がると言われているけど可能性はゼロでないため、やめ時が難しいと言われます。数パーセントでも可能性にかけたいと、精神的・肉体的・金銭的にも負担になる治療を重ねることに。治療を止めることは、子どもを諦めること。それゆえ断念するまでに時間を要してしまい、結果が出せなかった挫折感から、なかなか立ち直れないこともあるのです。

国立社会保障・人口問題研究所の「第14回出生動向基本調査」(2010年実施)のよると、「不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)」と答えた夫婦は全体で16.4%、約6組に1組の割合。働きながら子育てするのが大変なように、不妊治療と仕事の両立は、想像以上に困難で経済的な負担も大きい。社会で不妊治療の理解やサポートがもっと進み、断念する女性が少しでも減ることを願います。

 

4.身体の問題などで産むことができない「覚悟型」

女性特有の病気により妊娠・出産ができない、出産すると本人の命に危険が及ぶため医師から止められているなど、主に身体の問題が原因で子どもを望めない。この場合、「子どもを持つ・持たない」の選択肢はなく、原因が判明した時点で子どもが産めないことを覚悟することになります。

不妊治療は病院側で年齢制限を設けていることはあっても、患者が望めば治療を続けてくれる。医師から「もう可能性はない」とハッキリ言われた方が諦めがつくという人もいるけど、「子どもを持てる可能性はゼロ」と宣告されるのはすごく辛いこと。独身女性であれば、結婚前に子どもが産めないハンデを背負うことになる。どちらにしても子どもを強く望んでいた女性にとって、子どもがいない人生を受け入れることは容易なことではありません。

 

5.経済的な事情で子どもが持てない「経済不安型」

子どもは欲しいけど経済的な理由で難しい、収入の不安から決断できないなど、金銭面から子どもを持つことをためらってしまう。かつてのように給料が右肩上がりに増えていく時代ではないため、自分の生活や将来の不安で精一杯なのに、子どもを持つ余裕がないという悲しい現実。

実際に日本では非正規雇用者の割合が年々増え、厚生労働省が発表した「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、パートや派遣などの非正規社員の占める割合が初めて4割を超えたことが明らかに。「何とかなる」だけの勢いでは産めない、先行き不透明な社会に「もう少し何とかなりませんか?」と言いたくなります。

 

 

おこなしさまに至った理由はひとつだけじゃない

単に「子どもがいない女性」といっても、その背景は様々。自分の都合を優先して、身勝手に子どもを産まなかったと誤解されることもあるけど、決してそうではない。理由はひとつだけではなく、2~3個の要因が絡み合い、“おこなしさま”に至ることも多々あります。

ちなみに私の場合は、「見逃し型」70%、「選択型」10%、「覚悟型」20%の複合タイプ。子どもいる人生を想定していたけど、仕事に力を注いでいたら産むタイミングを逃してしまい、気がつけば40代に突入。このまま子どものいない人生になるのかなと思い始めた頃、子宮の病を患い出産の可能性を断たれてしまいました。

だから、子どもを産まなかった理由を問われても、一言では答えられない。たぶんそれは私だけではなく、何十年か生きてきた中で紆余曲折があり、結果“おこなしさま”になったのです。人生も仕事でもそう。過程より結果。それ受けて、「結果オーライ」と言える生涯を過ごそうじゃありませんか!

 

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