閉経を判断する「最終月経」55歳くらいまではあまり気にしないでいて【Dr.新見の更年期あかるい相談室】#10後編

乳がんのセカンドオピニオンを中心に診察する医師の新見正則先生は、丁寧に私たちの訴えに耳を傾けながら、「だいじょうぶ!更年期は絶対終わるから!」と太鼓判を押してくれる力強い味方。そんな新見先生に「医師に聞いていいのか迷うこと」をまとめて聞くシリーズです。

 

閉経って本当に判断が難しいんです。1年後に出血する人だって珍しくない

この連載を始めるとき、なるべく後のほうまで聞かれたくないなと思っていたのが閉経の定義問題でした。ぼくは人工的に更年期状態を作り出す乳がん治療と密接にかかわっていますが、その専門性を以てしても、閉経という言葉は難しいんです。

 

もちろん、血液検査でエストロゲン量を測定し、FSH(卵胞刺激ホルモン)が高くエストロゲン値が低い場合は閉経と判断できます。FSH値40mIU/ml以上、かつE2値20pg/ml以下というのが閉経の基準です。ですが、ホルモン補充療法をしていれば判定できません。

 

というわけで、ぼくが最近よく口にするのはこんなお話です。

 

「閉経の特定って、いつから老眼になったのかと結構近い。老眼だなと自覚したときが老眼の始まりだと思うけれど、それと同じで、閉経だなと自分で思ったときが閉経でいいよ」。

 

「先生、ダメ!そんなんじゃ答えになってない!」て何度も言われましたが、でもこれ以上のことは医師からは本当に言いにくいんです。

 

閉経は、薬で止める以外では突然起きるわけではなく、ちょっとずつ近づいていく実感があるはずです。なくなっていく悲しさはあるかもしれませんが、それも身体が変化していく一つの過程に過ぎません。ですから、自分が「これが最終月経だな」と思ったものを最終月経にしてください。

 

それで医学上大丈夫なの?とご心配でしょう。大丈夫なんです。

 

みなさんは初診で行かれた病院で問診用紙を記入すると思いますが、多くは月経の有無、閉経している場合は閉経年齢を書きますよね。医師はそこに書いてあること以上は気にしません。不正出血があるならその他のところに不正出血ありと書いておいたほうがいいですが、それは婦人科系の他の疾患をルールアウトしやすくするため。病気の治療で閉経の情報が必要なのは乳がんの投薬のときくらいですし、それだって現場の先生がたは「いい塩梅」をそれぞれご存じですから、心配無用です。

 

閉経はあなたの価値に何ら影響を与えない。55歳まではあまり気にしないで

ぼくね、50代のある日、暗いところでレストランのメニューの文字が見えなかったときにすごくショックを受けたんだよね。おそらく月経がなくなるのと同じくらい、ぼくにとっては見えないことがショックだった。診察を行う医師にとっては、視力の低下は恐怖でしかないんです。このように身体機能が衰えていくのを目の当たりにするのはやっぱりショックであると同時に、これからはこうして変化していく自分を受け止めないとならないなって思いました。

 

最終的に、時間がたって振り返ったら、きっとあのときが閉経だったのねとわかります。55歳くらいまではあまり気にしないことです。閉経したからといって急に老いることもありませんし、閉経と関係なくずっと心身ともに美しい人はたくさんいます。閉経はあなたの価値に何の変化も起こさないのです。

 

 

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お話/新見正則医院 院長 新見正則先生

1985年 慶應義塾大学医学部卒業。98年 英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は乳がん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。がん治療に於いては、明確な抗がんエビデンスを有する生薬、フアイアの普及も行う。

https://niimimasanori.com/

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この記事を書いたのは
新見正則医院 院長 新見正則

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