「睡眠トラブルの治療」って、どんなことをするんですか?【医師に聞く】

働く女性、更年期世代の女性は、なぜ今眠れていないのか。そして、どうすれば眠れるようになるのか。

医療法人社団SSC 理事長であり、スリープ・サポート クリニック院長の林田健一先生にお話を伺いました。

前編『「眠れない…」もしかしてそれ、更年期かも?』に続く後編です。

 

クリニックではこんな治療をします

——先生のクリニックに来た方たちは、どのような治療を受けるのでしょうか?

 

「たとえ睡眠が短くても、それは年相応の睡眠である」

「夜中に目が覚めるようでも、またすぐ寝られていたら大丈夫」

などを説明するだけでも、多くの方が納得して帰ってゆかれます

 

治療をする場合、リズム障害、むずむず脚症候群、うつなど、原因を切り分けるところから始めます。
(リズム障害とは、昼なら眠れる患者さんのこと。不眠症の典型例は、寝付けないし、昼も眠れない)

 

不眠症の方には生活指導をします。

 

多くの方は、寝る直前までパソコンやスマホを触り、仕事のこと考えています。
寝る前はデジタル機材ではなく、本や雑誌を読んだり、音楽を聴いたり、アナログなものを楽しむことをおすすめします。

また、寝る前にリラックスできる時間を確保することも大切です。最低でも1時間前、できれば2時間は欲しいですね。

 

——寝る前のスマホは、何がいけないのでしょうか?

 

一番いけないのは、外からの刺激が入ってきてしまうということです

目が覚める刺激のことを覚醒刺激というのですが、SNSで友達から連絡が来たり、通知がきたりするのは覚醒刺激です。

どうしてもデジタルで本を読みたい…という場合は、通知の来ない端末を使うなど工夫が必要です。

 

——他にも指導なさることはありますか?

 

お風呂は体温の調整により眠気を誘い、リラックス効果があるのでおすすめです。

身体の深部体温を上げると、下がるときに眠くなるので、それを利用して入眠します。寝る1~2時間前に、40度のお湯に浸かることを推奨します。

このとき、寝る直前に入ってしまうと、体温が上がったまま寝ることになり、寝付きが悪くなりますので注意が必要です。

深部体温を上げるという意味で、シャワーよりお風呂に浸かるほうがいいですね。

 

——簡単なことの積み重ねなのですね

 

そうです。朝、昼は運動をする。昼寝をしない。そうやって、夜に眠る力をためることが大切なのです。

夜中に目が覚めたときに時計を見ないことも大切です。その一見単純な動作によって、夜中に覚醒する習慣がついてしまうのです。

 

あと大切なのは、「布団イコール眠れる場所」という認識を自身に植え付けることですね。

眠れないときは、いさぎよく布団から出ましょう。眠れないのに布団に入っていると、「布団イコール眠れない場所」と身体が覚えてしまい、プレッシャーが強くなってしまいます。

そのためにも、眠くなってから布団に入ることが大切です。

 

——日中の生活と睡眠を切り離し、ベッドと睡眠を結びつけることが大切なのですね

 

ワンルームにお住まいでテレワークになり、ベッドの横で仕事をせざるを得ない方もいると思います。

その場合は、日中はベッドにカバーを掛けて、見え方を変えるなどの工夫をしましょう。

 

睡眠トラブルを抱える人の共通点とは

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