エリザベス女王に教えていただいたこと。正しい「握手」はどう行うのでしょう?

2022.09.10 WORK

イギリスの女王エリザベス2世が96歳で逝去しました。約70年という英国史上最長の在位中、多くの人に良い影響を与えることができるように、美意識と責任感を持って美しく振る舞うことを常としていらっしゃいました。

私たちにとっても、挨拶は知的な交際の入り口です。(一社)日本プロトコールアンドマナーズ協会主任講師の松田玲子先生にお聞きしました。

前編『私たちがエリザベス女王から教えていただいたこと。そのエレガントな「ご挨拶」を振り返ります』に続く後編です。

 

「握手」は左右どちらでするのでしょう? いつ差し出す?

握手は原則として右手で行います。爪で相手を傷つけないように常に短く切り揃えておきましょう。

コロナ禍では、世界の挨拶の場面では人との接触を避けるために、握手は自らは行わないというのが基本でしたが、国際ニュースを見ていると徐々に握手の挨拶が復活してきました。

平時においては、世界で最も広く行われている挨拶が「握手」ですから、正しい握手を覚えておきましょう。

また、大切なこととして、握手をする際には、お相手を傷つけないようにとの配慮から爪を短く切りそろえておくこと。

エリザベス女王もそうです。どの写真を見ても爪を短く切りそろえています。皇族や王族をはじめとする真のレディたちは、好感や清潔感を与える観点からも爪を短く切りそろえ、透明または薄いピンクのトップコートを塗っているのです。

握手には手を差し出す順序があるのをご存知ですか?

まず、握手は上位者から下位者に手を差し出します。その原則は次の通りです。

 

✦プライベートシーンの場合

レディ・ファーストを適用するので、異性間の場合は、女性から男性へ手を差し出します。ただし、その異性が皇族・王族・その国の大使・高僧の場合を除きます。

 

✦同性間の挨拶の場合

目上から目下へ、先輩から後輩へ、年長者から年少者へ、既婚者から未婚者へ手を差し出します。

 

では、ビジネスシーンでの握手はどういう順番で行うのでしょう?

一方、ビジネスシーンでの握手はレディ・ファーストを適用しません!

あなたはビジネスの握手の場面で迷ったことはないですか?

 

✦実は、ビジネスでは女性と男性の区別はしないため、立場が同等の場合はお互いに同時に手を差し出し、しっかりと握手をします。

握手の際はお相手の目を見てしっかりとアイコンタクトを取りましょう。

目は心のあらわれとされ、目を見ることは相手への好意ややる気を示します。目をそらすことは不快ややる気のなさを与えてしまい、失礼にあたりますので注意しましょう。

挨拶は、人と人、国と国が交わる時に敬意や友好を表す大切な儀礼です。エリザベス女王の振舞いから、挨拶は「互いの信頼関係を深め、知的な交際をするための方法」であるということがわかります。

作法に適った正しく美しい挨拶をすることは、エレガントの観点からも見習いたいですね。

 

写真出典・インスタグラム @theroyalfamily エクアドル大使がエリザベス女王に謁見した際のお写真です。

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