「更年期のお金」どのくらいかかるの?気になる更年期のあれこれを語りつくす!【更年期のホンネ】#1前編

閉経を挟んだ前後5年、おおよそ45~55歳までの更年期は誰にでも訪れるものだけど、「症状」が出るかどうかは、女性ホルモンの減少だけにとどまらず、気質(性格)や環境(仕事や家族関係など)によるところも大きいため、個人差が大きいのが特徴。しかも、症状に大きく作用するエストロゲン受容体は全身にあるから、その症状は肉体的なものから精神的なものまで多種多様。つまり、「更年期世代だから」とひと口に言っても、自分にぴったりの緩和法を見つけるのは至難の業。

 

そこで、リアル更年期真っ只中のオトナサローネ新編集長・井一美穂と、美容ライター・藤井優美が、読者の更年期アンケートをもとに、自身の経験を交えて、更年期の実情をお届け! 第1回目は、更年期にかかる「お金」について。

【フジイ&イノイチの更年期のホンネ】#1

ほとんど語られてきていないのです、更年期のお金のことは!

井一 今回のアンケートにお答えいただいた年齢のボリュームゾーンは47~53歳。でも、意外と更年期手前世代、45歳未満の方の回答も多かったのが印象的でした。プレ更年期と呼ばれる世代は医学的には定義されていないのですが、関心が上がっていますね。

 

ちなみに私も43歳ごろから不定愁訴が出始めたのですが、ちょうど産休から仕事に復帰したところでした。育児と仕事の両立のストレスはあったと思うのですが、ある日、耳が聞こえなくなって。耳鼻科で検査をしましたが、原因がわからなかったんです。そこで先生に言われたのが「更年期では?」という見解でした。これが私の更年期ファースト症状です。

 

藤井 私はもともとPMSも生理痛もひどく、ホルモンにすごく振り回されている感覚がずっとありましたし、気質で言えば心配性だったので、「更年期症状は絶対出るんだろうなあ」という予感というか、覚悟が30代後半からありました(笑)。

 

更年期のファースト症状は、私もやっぱり42~43歳ごろから。一番顕著だったのは睡眠の変化ですね。なかなか寝つけない、寝ていても途中覚醒するように。眠りの質が悪くなるから、常に疲れている、気力が出ない、イライラする、日中のパフォーマンスが悪くなるなど、どんどん不調のスパイラルにはまっていって……。とはいえ、これが更年期だからなのか、ただの老化なのかの判断がつかなかったのですが。

 

最初の対策はサプリメントから始める人が多いのですが、2人は何から?

井一 更年期か、老化かの判断がつかないという言葉も、アンケートでは悩みの1位ですね。その影響でしょうか、最初の不調改善アクションとしては、サプリメントに頼る人が多いようです。予算は月¥1,000~4,000というとこでした。藤井さんは仕事柄、サプリメントの情報は多いですよね。

 

藤井 はい。とりあえず¥8,000前後のプラセンタサプリメントをしばらく続けました。ただ、最初は「いいかもー」と思えるのですが、カラダが慣れてくるのか、そもそもが気持ち的な要素が大きかったのか、イマイチ効果を実感できなくなってきちゃうんです。で、サプリメントは次から次。それこそ、女性ホルモン様サプリや、女性悩みをサポートするアロマやフラワーレメディ(¥3,000~¥10,000前後)なども試しました。その後、睡眠悩みを解決するのに、クリニックでメラトニンリキッドを処方してもらって。これが高くて¥20,000弱! 高いから本当に寝つかれないときに使っていたのですが、気持ちのお守りにはなりましたよ。

 

井一 高い! というか藤井さん、ちょっとお金をかけすぎなのでは!

 

藤井 私の場合、仕事の一環みたいなものだから(笑)。インナーケアが好きというのもあるけれど、「更年期かな?」と思いながらも、「まだ違うでしょ」というはざまで常に揺れ動いていて。インナーケアで何とかなるのであれば、という思いもあったんだと思う。

 

井一 更年期と言えば、エクオールをダイレクトに摂れるサプリメント(¥4,500前後)は試しましたか? 私は、サプリメントではなく、「命の母A(840錠 ¥5170<編集部調べ>」を飲んでいましたが、けっこう調子はよくなりましたよ。

 

藤井 もちろん、やってみましたよ。エクオールが作れるかどうかをチェックできるセルフキット(¥4,000前後)を取り寄せ、調べてみたところ、私、エクオールがほとんど作れないことが判明(涙)。「こりゃあ、大豆食べていてもダメなんだー。ダイレクトに絶対補給しないと」と、しばらく飲んでいましたが、こちらも始めはいいんだけど、やっぱり効果実感が薄くなっていく気が……。

 

やがて漢方に「ステップアップ」?2人が処方されたのは

井一 なるほどー。私は耳の症状から出たときに漢方薬を処方されたのですが、これがまったく効かなくて。でも、これが1つのきっかけとなり、漢方薬に興味が出て、オフィス近くの漢方取り扱いの内科に通い始めました。ここでは女神散というエキス製剤が出たのですが、これが効きました。

 

ちなみに、漢方薬の取り入れは、アンケートではサプリに次いで多かったんですよ。漢方薬は副作用の心配が少なく、自分の治癒力を高めていくから支持されているんでしょうね。何気に、漢方薬+ヤクルト1000の組み合わせも多かったんです。ヤクルト1000は¥143<編集部調べ>でお手頃ですが、毎日飲んだとしたら¥4,290<編集部調べ>。やっぱりサプリメントくらいはかかりますね。

 

藤井 ヤクルト1000……。腸活も更年期症状緩和にはハズせませんからね。漢方薬は、私も加味逍遙散を市販(¥3,000~5,000)で購入していました。40代後半で更年期太りが顕著になっちゃったから。でも、漢方薬って基本3回服用だし、けっこう割高ですよね。

 

井一 市販薬や自由診療による処方はやっぱり高くなるけれど、漢方薬って保険適用でも処方してくれるんですよ。私は最初の内科の次に保険適用で「刻みの漢方」を処方してくれる専門クリニックを調べてから通ったから、月¥2,000くらい。煎じるタイプなので毎日鍋でコトコト煮るのが大変だったけれど、3か月も続けたら、頭の奥にいつも引っかかっていた詰め物が取れたかのような感覚に。眠りはよくならなかったけれど、イライラは治まりましたね。改めて「漢方って効くんだー」と実感しました。以来、4~5年は続けました。

 

藤井 更年期は閉経前後5年の10年と言われているけれど、プレ更年期も入れたら、けっこう長くお付き合いすることになるから、副作用の不安が少なく、長い期間続けていける漢方薬はいい味方になってくれますよね。私も50代になり、1年半ほど前からHRT(ホルモン補充療法)を始めましたが、同時に、保険適用で漢方薬の加味逍遙散ヨクイニンをプラスで飲んでいます。

 

▶【この記事の後編】『更年期を迎える際に必要なのは、薬よりサプリより知識より「意外なコレ」では?

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