更年期を意識しだすきっかけは?みんながいちばん「イエス」と答えたのはやっぱりコレでした…

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更年期真っ只中で偶然知り合った、オトナサローネの編集長・井一美穂と、美容ライターの藤井優美。自身の更年期経験をもとに、読者から寄せられるアンケートから寄せられる更年期の不安を一緒に考えます。第2回は、「わかりにくい更年期のサイン」について。

前編『51歳の2人が更年期のリアルを語りつくす!「今思えば、更年期がはじまるサインって何だった?」【更年期のホンネ】#2』に続く後編記事です。

【更年期のホンネ】#2後編

更年期を意識しだすきっかけは、やはり月経の変化がダントツ!

藤井 個人差がある症状に関しては「病気?」「更年期?」という不安が付きまとうけれど、月経の変化は、更年期としての覚悟ができますよね。私は、40代頭にPMS解消にピルを服用したのですが、それが原因でダラダラとした出血が1か月以上も続き、毎日が貧血状態に。ピルは30代でも服用していたからどちらかと言えば信頼していたのに、加齢とともに女性ホルモン量が変わるから体の反応が変わっていくんですね。

 

その後も、不眠解消にエストロゲンのサプリを服用したら、このときも出血が止まらず。そして、50歳に近づいたら、完全に月経の出血リズムが狂い、1~3日目は少量なのに、4日目、5日目に謎の大出血があったりして。もう生理とは30年以上付き合っているのに、今頃になって服や寝具を汚してしまい、落ち込むことも増えました…。

 

井一 「いつまである?」「いつ終わる?」と、いうのは、更年期が始まる40代前半の関心事として高いですよね。生理が1年間なければ閉経とされますが、更年期世代の生理って、不規則になりがちだから、「終わったと思っていたのに来た」なんてこともけっこうありますからね。

 

藤井 妊活の際に言われている、卵子の数を調べる抗ミュラー管ホルモン(AMH)で、ある程度、閉経時期を予測できるとは言われるようになってきていますが、すべての婦人科医がそれをやってくれるとは限らないし。

 

井一 これまでのアンケートを見ていると、みなさんが気づく症状は、

  • 月経の変化
  • 発汗、ホットフラッシュ
  • 倦怠感・だるさ
  • 不眠・憂鬱・不安・くよくよ
  • 指・関節の痛み

といった感じですね。これがフルコースの人もいれば、メンタルに出てくる人もいて、これはその人の気質に影響を受けていそうです。

 

藤井 実際、女性ホルモンの数値はかなり低いのに、症状が出ない人というのもいらっしゃいますからね。やっぱり気質って大きいですよね。

 

さまざまな不定愁訴にHRTは絶大! でも、やる・やらないは個人の考えによる

井一 先日、更年期の最新資料に「更年期と鬱の相関性」の発表を見つけたんです。そもそも女性の鬱はホルモン由来におけるものが多く、閉経前後にHRT(ホルモン補充療法)を行うと、これを抑えることができるそうなんです。なんでも、閉経後にHRTを行っても鬱の改善は見られないようなんですが、44~45歳の閉経間近でHRTを始めると80%の改善が見られたそう。

 

藤井 HRTは婦人科の先生の考えで行っていないところもあるから、誰もかれもとはいかないけれど、メンタル的なつらさがある場合は、取り入れてみてもよさそうですね。言われてみれば、私もHRTを始めて1週間くらいで効果を実感しました。

 

井一 私もメンタル面の不調が出やすいタイプなんですが、HRTを始めたところ、藤井さんほどの効果の速さではありませんでしたが、自分の抑鬱状態は、ホルモン由来だったのがわかったほど、気持ち的に軽くなったのを実感できました。

 

藤井 こういう仕事をしていると、“HRTウェルカム”の婦人科の先生に取材することが多いから「HRTをやってみよう」と、すんなり受け入れられるけれど、井一さんみたいに意を決して婦人科の門をたたいのに「(リスクがあるから)やっていない」と門前払いされちゃう婦人科が多いのは否めないですからね。さらに、乳がんや血栓症などのリスクが心配で、尻込みしちゃう人もいらっしゃると思う。

 

井一 乳がん、血栓症のリスクに関しては、HRTと並行してきちんと検査をする必要はあると思います。そして、なんとなく手が出せない…、わかります。私はHRTもやっているし、腰痛に鎮痛剤が入った湿布薬はガンガン使えるのに、頭痛で鎮痛剤を飲むのに躊躇するんです(苦笑)。「痛くなる前に服用を」と書いてあるのに我慢しちゃう。なんか薬漬けになっちゃう印象があって。

 

「更年期かな?」と思ったら、気力・体力がまだあるうちに情報収集を!

藤井 意外! 私は自分がご機嫌でいられるためなら何でもやるほうだし、自分がHRTをやってみて劇的な改善を体感したから、つい人にもお薦めしちゃうけれど、人それぞれ受け入れられることと、そうじゃないことがありますからね。でも、更年期症状が強く出ると、気力も体力もガクンと落ちちゃって、いざ解決法を探ろうと思っても、意外と何もできなくて、どんどん落ち込んでしまう可能性があると思うんです。

 

井一 そう。だから、「これって更年期かも⁉」と感じ始める40代前半から、きちんと自分を見つめ直すのがいいと思うんです。たとえば、「人間関係」や「自分がご機嫌になれる方法」など。

 

藤井 考えてみれば、私も40代半ばでそのことをすごく考え、苦手だった人との仕事を終了しました。同年代だったので、相手も更年期症状が出て、イライラして、それを私にぶつけていたのかもしれないけれど、それは今だから言えることで、当時はツラくてツラくて。その縁は切ったことで、仕事がすごくしやすくなりました。

 

井一 40代って、働き方や育児の変化があったり、介護が始まったり、本当に大変な世代。人間関係も我慢しがちだけど、それがきっかけで更年期症状が出て、自分がツラくなってしまうのであれば、自らそれを手放すことも大切ですよね。好きなはずの習い事も、人間関係が重いと感じるのであれば、すっぱり辞めたほうが、落ち込みは少ないかも。まさに更年期は、自分の人生の生き直し時期。何が好きなのか? 嫌いなのか? どんな老後にしたいのか? それを考えると、ツライと感じる更年期も少しラクに過ごせるかも。

 

情報を収集しておくことは、更年期をスムーズに過ごすための武器になる

藤井 更年期になると、いろいろなことが億劫になるし、気力も体力も続かなくなりがち。ツライときは婦人科を受診しようとするだけでも、なかなかできない。でも、ときどき「エイッ」とやれる時があるんです。その瞬間を見逃さずに「エイッ」とやると、乗り切れる道筋が見えてくる。だから、気力も体力もまだ持てている40代前半から、いろいろな更年期症状情報を収集しておけば、いざという時に悩まないで済むと思うんです。

 

井一 藤井さんなんて、30代からいろいろと情報を収集して、あらゆることをしていたのに、想像を上回る症状で悩んでましたからね。40代前半、気軽に「エイッ」とできるうちに、不安に思っていることの解決法=武器を持って! 私も更年期症状が出てきても、それでも客観的でいられたのは、予備知識があったからだと思います。自分の性格やウィークポイントを見直し、そこをフォローできる体制を作っておけば、更年期は人生のリセット時期と割り切って過ごせるはずです!

 

 

次回は、「どう乗り切る?更年期の【物忘れ・能力低下】」について対談します。

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