52歳、病的な孤独感と圧倒的熱中…「更年期の感情アップダウン」コントロールでたどりついた対処法とは?

40~50代になってから、「最近、何をしても楽しくない」「うまく気持ちのコントロールができない」などの悩みはありませんか?

日本の女性は、平均で50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。

この時期は、ホルモンバランスの影響で、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。

更年期女性が持つお悩みのひとつに「気分のムラ・躁鬱感」などの精神症状があります。躁鬱とは、うつ状態の時期と気分の高揚する時期がある状態です。

今回は、更年期の躁鬱感を改善する方法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。

 

息子の独り立ち。子育てから解放されてリラックス! のはずが……

香苗さん(52歳)は、大学に進学した息子さんが一人暮らしをはじめ、一人で過ごす時間が増えました。

「『子育てもひと段落したし、新しい趣味でも始めよう』と韓国語の勉強をはじめたのですが、なぜか急に孤独感に苛まれて落ち込む日が増えてきました」

その一方で、オンラインの韓国語レッスンでは熱が入り、レッスン後も勉強を続けて朝を迎えることもあるそうです。

「気分のアップダウンが激しくて。自分でもコントロールできないやる気や、熱量のムラに戸惑う日々です」

 

「お前、おかしいぞ」普段は無関心な夫の一言で受診を決意

落ち込むときは一日中寝込み、逆に気分が上がっているときは、一晩中、韓国アイドルのDVDに夢中になるという香苗さん。

「最近のお前は、なんだかおかしいぞ」

と、普段は何事にも無関心なご主人に、ある日はっきり言われたそうです。

「夫に言われて初めて、自分の気分のムラが異常かもって気づきました」

香苗さんはご主人に付き添ってもらって、病院を受診することにしました。

 

気分のムラ(躁鬱感)の原因は更年期だった

受診した心療内科の医師は、香苗さんの話を親身になって聞いてくれました。

「更年期になると、ライフステージの変化といった社会的な影響を受けます。加えて、女性ホルモンの減少により自律神経が乱れて精神的に不安定になり、気分のムラが大きくなることがあります」

と医師から説明があり、メンタルの薬を処方する前にいちど漢方治療を試してはと提案されました。

処方された漢方薬は、加味逍遙散(かみしょうようさん)。

加味逍遙散は、乱れた気や血(けつ)のバランスを整えて、精神不安やイライラなどを改善する漢方薬です。

「気分にムラが出る原因が更年期だと知ってびっくりです。西洋薬には抵抗があったのですが、漢方薬ならすんなりのめました。以前より気持ちが安定したと感じます」

すっかり落ち着いた香苗さんの様子に、ご主人も喜んでいるそうです。

 

▶【後編】そのほか、更年期の「気分のムラ」におすすめの漢方は?定番から意外なものまで!

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