48歳「朝起きられない」更年期のだるさ。激怒する娘、家庭崩壊の危機から立ち直るまでの紆余曲折

40~50代になってから、血圧が低く、「最近、寝起きが悪い」「めまいがする」などの悩みはありませんか?

日本の女性は、平均で50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。

この時期は、ホルモンバランスの影響で、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。

更年期女性が持つお悩みのひとつに「低血圧による不調」があります。

WHOでは世界共通の基準として、収縮期血圧100(mmHg)以下、拡張期血圧60(mmHg)以下を低血圧としています。

低血圧により生じる不調には、立ちくらみやめまい、朝起きれないなどがあります。

今回は、更年期の低血圧による不調を改善する方法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。

 

布団から出られない……娘のお弁当づくりもおざなりに

優子さん(48歳)は、最近、朝起きるのがしんどいと感じています。

「寒くなってきたせいか、布団から出るのが億劫で……起きてもからだが冷えて体調が悪く、目覚めもすっきりせず、高校生の娘のお弁当をつくる気力もありません」

料理好きの優子さんは、これまでお子さんのお弁当づくりを欠かしたことがなかったそうです。

「ごめん、今日も売店で買ってね」

娘さんにお金を渡しながら、罪悪感で胸が痛い日々を過ごしていました。

 

朝起きられないことで、家庭崩壊!?

ある日、朝起きられず布団のなかでぐずぐずしていた優子さんは、すっかり寝過ごしてしまいました。

「お母さん、最近朝も起きられなくて、だらしないよ!」

パジャマ姿でリビングに行った優子さんは、娘さんから怒られてしまいました。

「そんなに眠いんだったら、ずっと寝てれば」

と夫も追い打ちをかけるように言って、呆れ顔で出社していきました。

「このままではマズイ……」

そう痛感した優子さんは、朝起きられない理由を必死にネットで検索しました。

そして、更年期が原因の可能性があることを発見しました。

 

すっきりしない目覚めの原因は更年期だった

優子さんは更年期外来があるクリニックを探して受診しました。

そして、病院での検査の結果、血圧が低いことが判明しました。

「おそらく、朝起きられない原因は低血圧でしょう。更年期になり女性ホルモンのバランスが崩れると、自律神経が乱れて血圧の調節がうまくいかないことがよくあります」

と医師から説明をうけて漢方治療をすることになりました。

処方された漢方薬は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)。

当帰芍薬散は、血流をよくして、冷えや貧血を伴う低血圧症の改善が期待できる漢方薬です。

「自分が低血圧だとは気付きませんでした。しかも、更年期が原因だなんて……。漢方を始めてから冷えが和らぎ、だんだんと朝起きるのもつらくなくなってきました」

元通りに朝のお弁当づくりもできるようになった優子さん。

低血圧だけでなく、冷えや疲れやすさなどの不調もよくなったと喜んでいます。

 

▶【後編】更年期「朝起きられない」「目覚めが悪い」「立ちくらみ」低血圧を漢方で改善するには?

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