年齢が高くなると、私たちはリラックスしにくくなる【高尾美穂先生の更年期の話#1】

雑誌の連載、テレビのコメント、ポッドキャスト……いつ、どこで触れても、同じようにあたたかく清々しい気持ちを受け取れる。そんな産婦人科医の高尾美穂先生に、普段からそっと心を支えてもらっている人も多いのではないでしょうか。

高尾先生をお招きして、主婦の友社の雑誌『健康』×オトナサローネ発の社会提言『アフタヌーンエイジプロジェクト』コラボレーションイベントのお話会が開催されました。

そのお話を今日から7日連続で配信します。

 

年齢が高くなると、私たちはリラックスしにくくなる

私たち、更年期世代は、卵巣という臓器が女性ホルモン、エストロゲンを作れなくなっていきます。卵巣機能が終わりを迎えていくことを悲しく感じることもあると思います。

 

エストロゲンは知らないうちに体にいい働きをしてくれていますが、自律神経を整える働きも担っています。エストロゲンを体で作れなくなると、副交感神経を優位にしにくくなるため、ざっくりいえば、年齢が高くなるとリラックスしづらくなっていくわけです。ですから、副交感神経活動を優位にするような、ほかの方法を手に入れておくといいでしょう。

 

科学的に根拠のあるものの一つは、「香り」。柑橘系よりはラベンダーのほうが副交感神経の活動が優位になることが知られています。また、一定の音楽にもリラックスの効果があります。よく「リラックスできるCD」として売られていますよね、モーツァルトの「レクイエム」やドビュッシーの「月の光」などは、誰が聞いても明らかに心拍数が下がっていきます。

 

体一つでできることは、「呼吸法」です。私たちは1分間に多いと20回、少ないときで12回呼吸をしていますが、この呼吸の回数を「1分6回」に減らすだけで、副交感神経が優位になります。10秒で1回ですね。息って、「1、2、3……」と数えながら吸ってみると、「3.5」数えたところで吸えなくなりませんか? 1回の呼吸の中では、「4秒吸って」「6秒吐く」くらいを意識してみてください。

 

こうした呼吸法が合わさったエクササイズがヨガなので、ヨガは自然に副交感神経優位に導いてくれます。ヨガのプログラムを終えて2時間は副交感神経優位の状態が続くことが知られています。

 

「大人の塗り絵」や「写経」も副交感神経が優位になります。最近私がはまっているのは、筆ペンで字を書くこと。ギュッと押すと墨汁が出る筆ペンがありますよね。あれで字を書くことが、私の中で流行っています。自分が好きな本を書き写すもよし、日記をつけても、何でもいい。自分でできる、副交感神経優位にするスイッチやリラックス法を、手に入れておくといいのです。

 

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お話/高尾美穂先生

産婦人科専門医。女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガドクター。東京慈恵会医科大学大学院修了。同大学付属病院産婦人科助教を経て2013年より現職。

 

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