恋愛不要、セックスだけ欲しかった女性に変化が。【40代、50代の性のリアル】#3(前編)

2023.04.23 LOVE

結婚を考えた彼に、女性の影

しかし、エイコさんは彼の異変に気づく。というより、気づかないほうがおかしいぐらい、彼はあからさまだった。

「彼が、高校時代につき合っていた元カノ のことを引きずっているのは知っていました。そのうちほかの同級生から、彼女が夫と死別してシングルマザーになったというのを聞いたらしく、急接近したみたいですね。彼女も大変なのはわかるけど……。彼はなぜか私の自宅の固定電話を使って彼女に電話するんです。私って彼にとって何なのて思っちゃって。結局、足かけ9年付き合いましたが、結婚には至りませんでした」

彼と彼女のあいだに肉体関係があったかどうかは、最終的にはわからない。けれど彼の気持ちは、エイコさんにもはっきりわかっていた。そんな彼への反発もあり、次々と男性と関係をもつようになったエイコさん。継続的に関係を持つ、いわゆるセフレ的な男性もいる一方で、一度かぎりの関係になる男性も多かった。適当な相手がいないときは、出会い系を利用することもあったという。

「性欲の感じ方が、男性的なんだと思います。人恋しさからではなく、今夜はスッキリしたいなと思って、誰か遊べる相手を探す。積極的に求めていくのはベッドでも同じで、私から責めますよ。ああしてほしい、こうしてほしいっていうのもはっきりいいますし。愉しまないと損じゃないですか」

 

本気にならないための予防線

若さゆえのいきおいあまって、男女のあいだにある不文律を破ってしまうこともあった。

「既婚者のAさんと独身のBさんは同じ業界の別会社に勤めていて、親しい間柄。私、両方と関係を持っていたんですよ。それぞれに好きだったので継続して会っていましたが、本人同士はそれを知らない……はずだったのに、彼らがふたりで飲みにいったときに、なぜかバレてしまったんです。Aさんから電話がかかってきたので出たら、なぜかBさんの声。その場で、ふたりから同時にフラれました。ショックでしたけど、こういうご縁だったのかなぁって」

セックスチャンスはいくらでもある、なければ自分から作りにいく。けれど、セックスと恋愛は別モノである。9年間交際したバンドマンの男性以来、交際した男性はいなかったのだろうか。

「いまお話したAさんとは、フラれる直前、もしかすると彼氏彼女の関係になるかなっていう空気が漂いはじめていたんですよ。私も本気になりかかっているところがあって」

だったら、そのまま交際してしまえばよかったのでは?

「それができないんですよね。相手の気持ちを感じると、どうしよう、と戸惑ってしまって。これは誰に対してもなんですけど、私、最初にする前に『これ、遊びだからね』っていっちゃうんです。たいていの人とはお互い割り切れるけど、継続的に会っているなかでたまにその一線を超えようとしてくる人がいて、そうすると私は気持ちが引いちゃって」

>>後編「『我慢できない』入院していた病院を抜け出し、ラブホテルへ」へ続く

<<ひとつ前のお話「ずっと受け身のセックスばかりだった、けど。」へ

 

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