
「彼は私のことキレイって言ってくれる」年下男性との不倫におぼれる40代女性の誤算とは…【不倫の精算・リバイバル#1】(前編)
どうして彼女たちは妻ある男と関係を持つのか。家庭があるのに外に恋愛を求めるのか。
彼女たちは、幸福なのか。不幸なのか。
恋愛心理をただひたすら傾聴し続けたひろたかおりが迫る、「道ならぬ恋」の背景。
【不倫の精算 リバイバル2023】#1 前編
会社の部下である独身男性との不倫
— 着信に気がついてスマホを見ると、L子(40歳)だった。通話ボタンを押すと、スマホの向こうからは明るいトーンの声が流れてきた。
「ねぇ、今度彼が滝を見に行きたいって言うんだけど、前にみんなで行ったあそこ、何ていうところだっけ?」
前置きもなしに話し始めるとき、L子はだいたい高揚している。後ろから車の雑踏と音楽が聞こえてきて、いま運転中なの? と先に尋ねると
「うん。でも路肩に停めてるから大丈夫」
とL子は何かをくわえたようなくぐもった声で答えた。ライターの着火音が続く。
以前友人たちで出かけた滝は、ここから一時間ほどのところにある有名な場所だった。だが山奥のため観光シーズンにでもならないと滅多に混むことはなく、不倫相手と行くには格好のデートスポットでもあった。
場所と名前を教えると、ちょっと待ってという声と共に少し間があった。カチン、とボールペンの芯を出す小さな音がした。
「帰ってから電話くれたらいいのに」と呆れながら言うと、
「すぐ彼にLINEしたいの。ごめんね」
煙を吐き出す息と一緒にL子は笑う。
L子は既婚者だ。夫とは「もうずっと仮面夫婦よ」と自嘲気味に言うことが多いが、今は離婚する気配はなく、L子はふたりの子どもを育てながら正社員として働いていた。
L子の「彼」は会社の部下であり、年下の独身者だった。関係は二年目に入っていたが、L子の熱は冷めるどころかいっそう彼にのめり込んでいるように見えた。
「ていうか、さっきまで会ってたんだけどさ」
ありがとう、と言いながらL子が運転席で座り直す衣擦れの気配がした。
「今日は彼がホテル代を出してくれたの。ふたりで有給を取れるなんて滅多にないから、何か盛り上がっちゃって……」
L子の一方的なおしゃべりは止まらない。うんうんと相槌を返しながら、真っ直ぐ家に帰るのが嫌だったんだな、と気がついた。
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