
「カレの家に電話したら、奥さんが出たの」不毛な駆け引きの行きつく先は【不倫の清算・リバイバル14】(前編)
どうして彼女たちは妻ある男と関係を持つのか。
彼女たちは、幸福なのか。不幸なのか。
恋愛心理をただひたすら傾聴し続けたひろたかおりが迫る、「道ならぬ恋」の背景。
「友達だから」という言い訳
— F子(35歳)から「話を聞いてほしい」と連絡をもらったとき、その声は少し震えていた。
待ち合わせのカフェに急ぐと、外のテーブルでタバコを吸いながらぼぅっと座っているF子の姿が見えた。
「もうダメ。耐えられない」
飲み物を買って座ると、F子はタバコを灰皿に押し付けて唐突に話し始めた。
不倫中のF子は、彼のことを本気で愛していた。当時勤めていた病院で知り合い、その頃はお互いに独身で交際を始めたが上手くいかず、別れたと同時に彼はほかの病院に転職した。そのままふたりは音信不通になったが、次に再会したのは3年後、彼から思いがけず連絡をもらったときだった。
彼は結婚していた。F子の知らない女性だった。F子に連絡したのは、栄養士の資格を取り、まだ以前と同じ病院で勤務していることを知って「妻のダイエットに協力してほしいと思った」ことが、彼に告げられた理由だった。
正直、嘘にしか感じない。数年前にその話を聞いたとき答えると、「そうだよね」とF子は笑っていた。
いま、あのときの余裕はF子にはない。
彼と別れてからも、仕事に時間を費やしてきたF子は今も独身で過ごしている。収入は順調に上がってひとり暮らしを満喫できているが、彼氏のいない生活が何年も続いていた。
彼の「下心」はすぐにわかった。それには気づかないフリで約束し、いざ会ってみると彼は昔と少しも変わっていなかった。結婚についてノロケ話はされたが、すでに彼が妻に関心をなくしていることは、写真を見せられたときに明らかになった。
「結婚してからどんどん太っちゃって」
と彼は困ったような顔を作ってため息をついたが、スマホの画面にいる「妻」は確かに大柄な女性だった。F子は彼の好みがスレンダーな女性であることを知っている。だから昔自分に声をかけ、交際に至ったのだった。
「な、『友達』として、ダイエットのメニュー作りに協力しくれよ」
「元カノ」の自分に対してあっけらかんと「友達」という単語を持ち出してくることに、F子は抵抗を感じた。「そういうのって、お互いに了解を得てなるもんじゃないの」、と。だが、自分のスキルを利用して彼のほうから近づいてきたことには、優越感を覚えていた。
「完全に言い訳だよね、私とまた仲良くなるための。しかも既婚者だって最初にバラしておいて、不倫になったのはこっちの責任って思わせたいのがバレバレ」
その頃のF子は、元カレからのアプローチに興奮していた。太った妻に興味を失った彼は、好みの女性と付き合いたくなったのだろう。その相手に選ばれたことは、決して女性として喜べることではない。だが、
「結婚してからも忘れられない女性」
として彼の中に自分が残っていた事実が、男性との交際から離れていたF子の心を高揚させていた。
そしてこのときに「そうね、協力してあげる」と彼の術に飛び込んだことが、今のF子を大きく苦しめている。
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