一汁三菜の食卓はどれだけある? “今のうつわ使い”がわかる日本初の検定が誕生するまで
ご飯と茶碗が並ぶのは当たり前ではなくなったのに
テーブル上に食の場面を作り上げるスタイリストの仕事をしている二本柳さん。ある時、バランスがよい食事として一汁三菜の食事スタイルを取り上げているテレビ番組を見たそうです。
出演していたタレントさんたちが口々に、
「普段食べているのは、一汁三菜じゃないメニューも多いよね、麺とか」
「大勢で食べる時は取り皿を使うよね。そういうのは、なんて呼ぶんだろう?」
と話すのを耳にします。
平成25年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。けれど、ライフスタイルの変化に伴い、私たちの食生活も日々変化を重ねています。ある調査*によると「一汁三菜」を実現できている食卓は三割弱ほどしかないそうです。名称とその大切さはわかっていても、なかなか実践できてないというのがリアルな食卓の様子のようです。
*日常食における献立調査-一汁三菜の実践と献立内容-(著/ 大石恭子 , 今井悦子)
「確かに、一汁三菜以外のうつわの組み合わせ方を表現する言葉がなかったんです。歴史などの学校で使う教科書は、年々進化してその時代にフィットした内容に修正されていくと思うのですが、私たちスタイリストや食の世界で仕事をする人が使う教科書は、最新のものにアップグレードされていませんでした」(二本柳)。
さらに、校長を務めるテーブルウェアスタイリストを育てる学校で、上級クラスを卒業してプロのスタイリストとして活躍中の生徒たちからも、「スタイリングの現場で活躍するために、うつわのことをもっと深く知りたい」という希望がたくさん届きます。
そこで、今の時代にフィットするうつわ使いを提案したいと、検定づくりを決意します。
テキストは、プロの方たちだけでなく、家で普通に食事をする人達も楽しめる内容に
「月曜日の朝から日曜日の夜まで、食卓につく家族構成も違えば時間も違います。使うお皿もさまざまですよね。こんなにいろいろ使っているものなのか、と認識していただくだけでも、うつわの世界を知る第一歩になりますよ」(二本柳)。
テキストに登場するうつわは、作家がつくる焼き物から、IKEAのプレート、そして、大人女子にファンの多いアスティエ・ド・ヴィラットなど、実にバリエーション豊か!
「これこれ、使っているよね、と感じていただけるリアルさを出すため、スタイリストの私物や、食器リース会社、食器ブランドさんから借りて構成しました」。
うつわ検定を受けて、よりうつわに詳しく親しみを持ってもらう。そして、検定を受けない人でも楽しめるテキストに、と刊行したのが、『うつわ検定公式テキスト 今の時代のうつわ選び』(主婦の友社刊)です。
「LESSON1〜3まではうつわの知識に関して紹介していますが、LESSON 4はうつわの選び方について触れています。うつわの選び方に関してはよく質問を受けるのですが、うつわを選ぶことは自分の人生や生活の振り返りでもあるんですよ。ぜひ、自分好みのうつわと巡り合って欲しいですね」(二本柳)。
「うつわ検定®」ではもっと問題が楽しめる!
一般社団法人テーブルウェアスタイリストが主宰する注目の新検定。食やうつわに関心のある方ならだれでも受講ができ、公式テキストから出題。検定合格者には「うつわホームユースマイスター」認定カードが発行される。https://www.utsuwakentei.com/
公式テキスト「うつわ検定®公式テキスト 今の時代のうつわ選び」
(一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会/通称TWSA)/10%税込・主婦の友社
【イベント情報】2023年7月7日(金) 湘南 T-SITEにて
『うつわ検定 ® 公式テキスト 今の時代のうつわ選び』 刊行記念イベント
「うつわを学ぶって、いいもんだ。」
新たにスタートするうつわ検定の内容を実践的にレクチャー、うつわの形や名前、産地や素材を理解してうつわとフードスタイリングに挑戦していただけるイベントを開催いたします。
時間・定員:13:00-15:00 定員20名
参加費:書籍付き3,500円、書籍なし2,000円
問い合わせ先:湘南 蔦屋書店 0466-31-1510(代表)
共催・協力:一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会–
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