新型コロナ第9波が襲来中みたい。ギリギリ4月に感染した編集者の「かかったら何が起きて、どう治るのか、何日休む必要があるか」ダイジェスト

この2週間ほど、コロナ罹患数が再び激増している気配を感じませんか? 5類に移行したため感染者数の把握はもうできませんが、定点観測数の例を見ると「これは……」と感じる勢い。

東京都保健医療局モニタリング分析 令和5年6月29日 公表分 定点医療機関当たり患者報告数

今年4月、5類化前のぎりぎりのタイミングで新型コロナに感染した体験から(体験記はこちら)、「だいたいこんな経過ですよ」という部分をまとめ直してお送りします。

 

「のどの違和感」から「検査キット陽性」までの時間はわずか1日。「明日以降しばらく休みます」の手じまいを速攻すべし

私はワクチン4回接種済み、最後の接種は22年9月でした。コロナ罹患は23年4月上旬のことです。

 

月曜 夕方、海外出張から成田に帰着

火曜 朝、のどに違和感を覚えたので、念のため在宅勤務に (0日目)

水曜 朝7時、起きたら咳が出始めている (1日目)

水曜 朝9時半 抗原検査キットで陽性 (1日目)

 

水曜朝、途切れない咳に「普通の風邪ではないな」と感じて抗原検査キットで確認したところ、コロナ陽性。とはいえ、0930の段階では咳以外の症状はなく、普通に仕事を始めようとしていました。

 

すると上司がピシャリと「ダメ!休みなさい!命令!」。あとから聞いたところ、上司は夏に罹患した際、かかりはじめに身体を休めず無理をしてしまったせいか、かなり長く後遺症状の咳に悩まされたのだそうでした。

 

水曜 朝10時 急激に症状が悪化 (1日目)

この「大丈夫そうだなと思っても休め」はものすごく重要でした、みなさんも「おかしいな」がきたら絶対に休んでください。というのも、「エー大丈夫なのに」と思いつつPCの電源を落とした直後、10時ごろから「坂を転げ落ちるように」症状が悪化したのです。

 

たった30分で36.4度から38.1度まで熱が急激に上がり、咳が絶え間なく襲うようになりました。喉も激しく痛み、マヌカハニー飴をずっとなめ続けないと呼吸も苦しい状態。すぐに強い頭痛にも見舞われ始めました。ただし、発熱そのものは私の場合は1日目のこの時間帯がピークでした。

 

「何日分の予定をキャンセルして休めばよさそうか」私見を申し上げますと

ここで先に、どのくらい休めばいいのかのお話。振り返っても、どの時点で感染したか断定ができないのですが、とにかくあっという間に発症する印象です。周囲に聞いてもだいたいそうで、喉の違和感から咳の出始め、発熱までは1日か2日くらい。

 

つまり、「おかしいな」と思ったら、しんどくなる前の数時間で大急ぎで「ここから先のスケジュールのリスケ」を済ませる必要があります。また、もし普段「置き配をしてくれるネットスーパー」を使っていないならば、このタイミングでの申し込みと注文もしておきたい。「調理しなくても食べられる」菓子パン類や冷凍食品、トイレットペーパー・ティッシュペーパー、喉の痛み対策の飴類などを頼んでおくと役に立つのではと思います。

 

とはいえ、過剰に恐れてまだ罹患してないのに準備万端にする必要もなさそう。というのも、「これは普段とは違う」と感じてから本格発症までは数時間ありそうですから、その間に何とかできる可能性のほうが高い(必ず全員そうとも言えないのが申し訳ないですが)。この点、わざわざのコロナ備蓄ではなく、防災の一環として備蓄を見直すときにコロナのことまで考えておくのは有意義です。

ストックしていた抗原検査キット。これはPanbio(大正製薬)

さて、手元に抗原検査キットがあれば勝手診断ができますが、ない場合は頑張って買いに行くか、近隣のクリニックに電話で受診の可否を相談してから出向くことになるでしょう。現在、受診は義務ではなく、重くなった場合にだけクリニックに行けばOKです。東京都の場合はウェブ上で「かかりつけ患者のみ受診可能」「かかりつけ以外も受診可能」な発熱対応クリニックリストを確認できます。

 

私の場合は抗原検査キットで陽性と判断、病院には行かずに「5日間の完全隔離」「10日は外出を控える」を自己実施しました。現在「外出を控えることを推奨」の日数は発症を0日目と数えて5日間ですが、5日目だとまだ自分で「これは他人にうつす」と理解できる咳が出ていると思います。

 

私も9日目までは抗原キット陽性でした。10日目はキットのストックを切らせて検査せずで、11日目は確実に陰性でした。症状から考えると、10日目はおそらくまだ陽性だったなと思います。

 

やっぱり10日という数字には根拠があると思いますので、コロナ陽性だなと思ったら職場と相談の上、できるだけ10日以上のお休みまたは在宅勤務にしてもらうほうがと思います。5日在宅はどう考えてもマストです。5日目くらいからは在宅で休み休み仕事ができるかも、でも3日間は完全に無理です。

 

我が家の場合、幸いにして今回家族は発症なく過ごしましたが、我が家は動線を完全に分けられる間取りで、かつ夫が家事可能、子どももお世話がいらない年齢という家庭状況の影響でした。子どものお世話がマストな家族構成ならばなかなか難しいと思います。子どもも発症した場合はその分だけ在宅の見込みスケジュールを伸ばす必要がありますから、ここまで未感染の方はこの夏の間「重大な案件は代役が立てられるように保険をかけておく」ほうがいいのかもです。

 

【経過】

0日目 火曜 朝からのどの違和感、若干咳が出たため、終日在宅。念のため家庭内隔離開始
1日目 水曜 朝36.1 昼38.1 夜38.0 10時頃から急激に熱が上がる。頭痛がすごい。「麻黄湯」+「桔梗湯」
2日目 木曜 朝37.7 昼37.6 夜37.1 「葛根湯」+「桔梗湯」 咳と頭痛に耐えられず16時ロキソニンを服用
3日目 金曜 朝36.9 昼37.1 夜37.1  咳とのどの痛みが強いため20時ロキソニン服用 夕方出雲クリニック受診
東京都の配食、パルスオキシメーターが届く 家族の隔離解除
4日目 土曜 朝36.3 昼36.8 夜36.7 前々日のロキソニンでのどの痛みがとれ、咳が止まって楽になった
5日目 日曜 朝36.1 昼36.9 夜36.5 ほぼ終息したものの、まだ熱が若干上下し、体内にウイルスがいる感覚がある 出雲クリニックの漢方薬届く
6日目 月曜 朝36.1 昼36.4 夜36.3 咳がやや残ったが熱は下がった。まだだれかに移す感覚がある。希さんからお見舞いが届いて嬉しい
7日目 火曜 朝36.4   昼36.3 夜36.4 軽い咳以外の症状は完全に消えた
8日目 水曜 すべて平熱 (2類時点では)この日療養解除だが抗原検査キットはまだ陽性
11日目 土曜 抗原検査キット陰性

 

 

とにかく咳で疲れ果てる。解熱鎮痛剤は早めに使って体力を残したほうがいいと思う

2日目

木曜 夕方 ロキソニン服用

日記に戻ります。初日はコロナ対策で手元にストックしていた市販の『麻黄湯』+『桔梗湯』、あとは寝ていましたが、2日目、あまりにも長く深く続く咳に体力を取られすぎて困憊してしまいました。「あれだけコロナ後遺症対策を取材したにもかかわらず、このままでは後遺症状を残してしまう」とロキソニンを使用しました。結果的にこれが正解で、まず頭痛が軽減、続いて時間を少しかけてのどの痛みも取れ、おかげさまで後遺症状も残さず済みました。

 

よくよく考えたら別に初日にロキソニンを飲んでもよかったんですよね。この「薬に腰が引ける」のは日本人の悪いクセ。キリっと効く解熱鎮痛剤は常にストックしておき、要所要所で素早く使うべしと改めて思いました。ただし、解熱鎮痛剤は連用できないため、漢方を組み合わせて使用していくのはきっと正解。

 

3日目

金曜 オンライン漢方クリニック受診

発熱はヤマを越えましたが、咳は引き続き強く、のどの痛みも強いままで、せき込み続けるあまりに腹筋が痛くなりました。ここで後遺症を防ぐご相談もしたいなと、以前から更年期症状で診察していただいている「出雲漢方クリニック」のオンライン診療を予約しました。

 

同クリニックはその名の通り島根県出雲市に位置し、島根大学医学部漢方医学臨床教授でもある宮本信宏先生がオンラインも含めて全国の患者さんの診察に当たっています。保険診療で、別途システム使用料が初診1000円再診500円、漢方薬を送っていただく場合は送料が500円かかります。ですが、ヨレヨレのパジャマ姿のままで自宅から診察を受けられることがこれほどありがたいと実感したことはありませんでした。

 

この日の宮本先生の処方は「柴胡桂枝湯」「清肺湯」「五苓散」。

「柴胡桂枝湯」は亜急性期に入り、舌に苔が出ていて、まだ止められない咳が続く状態への対応です。

「清肺湯」は湿って粘り気の強い、痰のからむせきを切るため。

「五苓散」は体内に滞った余分な水を外へ出すので頭痛の対策にもなる、宮本先生お得意の処方。

漢方はここから2週間分飲み続けました。

 

4日目

土曜 咳が止まってだいぶ身体がラクに

3日目まではとにかくずっとせき込んでいる感じで、ああ、咳ってこんなに体力を使うんだな、疲れるんだな、しんどいな、どんどん弱ってしまうなと思っていましたが、連投を続けているロキソニンが炎症をいい具合に抑えてくれて、この日に症状が治まり始めました。もし仕事に追われていても、4日目まではやっぱり仕事にならないと思います。

 

 

幸いにして後遺症は残らなかった。できる限りのことをすればするほどリスクは下がる

5日目

日曜 漢方薬がもう届いた。さっそく飲む

これ以降は如実に症状が軽くなっていきますが、咳だけは残りました。咳をするたび体内からウイルスが排出されている実感があります。在宅ならば仕事ができるが、外に出ることまかりならぬという体感が9日目までは持続しました。それも11日目には「もう大丈夫だな」と自分で思える状態になりました。

6日目以降

心配していた後遺症は、10日目を経過したあと1週間ほどは軽い咳が続きましたが、そのあとほぼ何事もなく快癒しました。漢方のおかげなのか、最初に休めと言ってくれた上司のおかげなのか。私は両方だと思っています。

 

体力の回復がどの程度のスピードになるかは人それぞれで、長く倦怠感が続く人もいますし、軽く治る人もいます。ただ、間違いなくしばらくは病後のしんどさが残りますから、無理は禁物。身体を休めて完治させてください。

 

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