【岩井志麻子×編集長対談・前】ババアがアツい夏!ニュースな中年女性から学ぶこと

2017.08.15 LOVE

テレビ番組のコメント等で独自の志麻子節を炸裂させている作家・岩井志麻子先生。8月は「OTONA SALONE夏の特別企画」として、編集長の浅見との対談が実現。その前編は、この夏、気温よりもアツい中年女性芸能人について志麻子節をお届けします!

 

ババアが一番アツい夏

「前の夫のときは私もギャンギャンいいましたよ」と志麻子先生。

岩井「野沢直子さんが言ってましたけど今年はババアの夏祭り。ババアがアツいと。松居一代さんはじめ、『このハゲー』の豊田真由子議員、そして泰葉さんに石原真理子様までが参戦。考えさせられることがてんこもりですよ」

 

浅見「アツいですね! みなさんお元気で」

 

岩井「私も昔、前の夫に女がいたときに『あいつには女がいるんです。私は何も悪くないんです』ってワーワーワーワー騒ぎましたよ。自分の正当性と相手の非を責め立てたくて自分、相手の友達や親も構わず『私は被害者なんです』ってギャンギャン言った結果、みんな私を敬遠するっていう最悪の結果。あいつはオカシイ、怖いって。今思えば相手の女のためにやってたみたいなもんですよ」

 

浅見「若かりし頃の志麻子先生……そうなんですか。意外ですね!」

 

岩井「もちろん、相手の心もどんどん離れて行きますよね。だってそうでしょ。仕事から疲れて帰って来たらギャンギャンうるさい女が『あんたが悪い』『謝れ』って般若みたいな顔して責めて立てるんですから。そりゃ帰りたくなくなるわ、向こうの女のとこ行くわって感じですよ」

 

浅見「私も、もし今後結婚して、相手の浮気が発覚したら……こうなっちゃう可能性は絶対ないとは言い切れないですね。女の嫉妬というか、相手に裏切られたとき自分はどうなっちゃうんだろうっという不安が」

 

 

女の怒りが爆発する理由とは

ここには書けない志麻子節に(※自主規制)に爆笑の編集長・浅見。

岩井「自分が軽んじられた、無視されたとかバカにされたとか、安く見られたってのにすごく傷つきますよね。極端にいえばののしられたほうがまだ対等というか。まともにケンカできる方がよっぽどいいですよね。先日、精神科医の春日岳彦さんとお仕事したんですけど、だいたい老人になるとひがみっぽくなって被害妄想がふくらむのは寂しいからなんですって。自分が社会から必要とされなくなるみたいな。精神を病むという大きなところに『軽んじられた』がものすごく関係してるって話をしてましたよ」

 

浅見「軽んじられる……確かに、一番傷つきますね」

 

岩井「妄想って自分の中で発酵するんですよ。本当に同僚と飲んでるだけなのに『女といるんじゃないか』と思ったら、いつのまにかその妄想は『女といるに違いない』『その女に妻と別れたいって話してる!』とエスカレートするんですよ。

 

 

一人でも生きられるように仕事は大事

志麻子先生の離婚エピソードにちょっと驚く浅見。

浅見「家に一人でいる時間が長いと、妄想も発酵しがちですよね」

 

岩井「そうそう、私の周りにもいるんですよ。夫婦の関係はとっくに壊れていて、旦那さんがどんな手を使ってでも別れたいという状況なのに、断固として奥さんが別れてくれない。これ、奥さんは“○○夫人”という肩書きを失いたくないんですよね」

 

浅見「もしご自身がなにか別の肩書きがあればそうならなかったかもしれないですね」

 

岩井「あと別れない女たちの共通点として「絶対再婚させてやらない」というのを感じますよ。旦那にはもう新しい女がいるわけだから、その女と一緒になるなんて絶対許したくないんですよ。だから籍を抜かないの。そうすれば再婚できないじゃないですか」

 

浅見「先生も離婚されるときそんな思いでした?」

 

岩井「私はちょうど離婚のタイミングでホラー大賞を受賞しちゃったんですよ。まさにもう一個別の肩書きができたからこじれなかったのかも。それとそのときの私は『見返したる!』っていう方に気持ちだったんですよね。復讐心よりもそっちが上で。だから相手が再婚しようが何しようが関係なかったですね。だから女の人も職業持つって大事だと思いますよ。一人で生きて行ける、自分のお金で遊べるってのは大きいと思いますもん」

 

 

男の仕事をけなすのは絶対NG

「男は仕事ができん」が一番傷つくと志麻子先生。浅見は反省中。

岩井「『ハゲー!』発言がピックアップされてる豊田議員ですが、一番アカンかったのは秘書の仕事ぶりをバカにしたことでしょうね。男は仕事ができんってことをいわれるのが一番傷つくんですよ」

 

浅見「たとえ議員と秘書という、主従関係でも」

 

岩井「稼ぎのこととかも口出しちゃダメ。『お前も良くやってくれてる』とかひとこと労いの言葉があったらよかったんですよ。でも『道は間違えるな』って話せばあそこまで秘書を傷づけて、さらには公にならなかったと思いますね」

 

浅見「労いの言葉ですか……。私もキツイ性格なので気を付けます(苦笑)。例の秘書のかたも、髪のことだけだったら、そこまで傷つかなかったのかも……?」

 

 

女の「売り時」を考える

「やっぱり寂しかったかもしれないなあ」とサラッと言う志麻子先生。弱さを言葉にできるってカッコいい……。

岩井「石原真理子さんってね、全盛期は本当に綺麗でのきなみファッション誌のカバーを飾り、CM、ドラマ出まくってたんですよ」

 

浅見「子供ながらに、大人のイイ女って思ってテレビ観てました」

 

岩井「あの頃の彼女ならどんな男だって落とせたと思うんですよね。大企業の社長だろうが、野球選手だろうが。真理子さんが望めば来ない男なんていなかったんですよ。なのに、今どうですか? お弁当万引きしてるんですよ…。彼女、本当に売り時を間違えたんですよ。一番売れてるときに売らずに、次はもっといいのが現れるかも、現れるはずと待った結果がこれですよ」

 

浅見「売り時はどうやって見極めたらいいんでしょう」

 

岩井「それがねー、その人によって違うから難しい。周りはもういい加減そろそろって思っても、本人はまだまだだと思ってる人もいれば、その逆もいますしね。私は離婚したときにもう結婚に重きを置くまいと、仕事して名をなして、お金稼いで好きなことしてーなってそっちに気持ちがいっちゃったんですよ。世間一般が思う羨ましがられる結婚はもういいやって思ってたんですけど、再婚しましたね。やっぱり寂しかったのかもしれないなぁ」

 

 

人は分かり合えなくて当たり前

もし志麻子先生が専業主婦だったら……SNSでホラーなつぶやき&動画が見られたかも!?

岩井「『銀河鉄道999』のオープニング見たことあります? 汽車が走って行って空へと向うんですけど、まっすぐ走ってから飛び立つかと思いきや、切り替えポイントがあって脇の線路から飛び立つんですよ! 子供の頃はこの意味がわからなかったけど、今となっては胸に来るんですよねー。あのまままっすぐ進んでたらどこに行ってたんだろうなーって考えちゃいますよ」

 

浅見「切り替えポイントがなかったら……先生の切り替えポイントはいつだったんでしょうか」

 

岩井「私の場合、離婚でポイントが切り替わって空へと飛び出したんでしょうねー。もしも離婚しなかったら、今とは違う種類の嫌なババアになってたと思いますよ。『本当の私はこんなんじゃない』とかテレビ見ながら『あいつより私の方が面白い』とか『ブスのクセに』とか愚痴ってばっかりだったと思いますね。『私は岡山で専業主婦なんてやってる人間じゃない』とか思いながら、ネットに悪口書きまくる最低人間になってたんじゃないかと思えてしょうがないですよ」

 

浅見「ブログやtwitterで炎上させたり、松居一代さんみたいにyoutuberになっていたかもですか(笑)。それはそれはホラーな動画になりそうです」

 

岩井「人間なんて、夫婦でも仕事のパートナーでも、分かり合えないのが当たり前なんですよ。分かってほしいと思うからツラいわけで、最初から分かってもらえたらラッキーくらいに思えばええの」

 

浅見「長い付き合いになると、分かり合えて当然と思ってしまいますね」

 

岩井「分かり合えないと思っておけば、たまに意志が通じると『通じた!!!』と喜びは2倍ですから。あとね、夢と希望ももち過ぎない方がええんですよ。なんでも悪いことをイメージしてからにすれば、どんなことが来てもプラスじゃないですか。先にいいことばかり想像するとがっかりしかないですもん」

 

浅見「そう思っていれば、松居さんも泰葉さんも豊田議員も、ちがう夏をお迎えだったでしょうか(苦笑)」

 

志麻子先生は肌が白くてキレイ。そしてデコルテが美しいんです!!

(後編はコチラ)

【岩井志麻子×編集長対談・後】結婚相手は、お◯ックスよりチューが大事!?

撮影/黒澤俊宏 取材・文/根本聡子

 

スポンサーリンク

この記事は
作家 岩井志麻子

スポンサーリンク

スポンサーリンク