「たしすみずみ」ではありません。「多士済々」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「多士済々」です。
「多士済々」の読み方は?
「済々」を「すみずみ」と読みたくなるところですが、「多士済々」の読み方は「たしすみずみ」ではありません。
まずは正解を見てみましょう。
正解は……
「たしせいせい」です。
「多士済々」とは
すぐれた人材が多く集まっていること。また、そのさま。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。「多士」は多くの人材を、「済済」は多くて盛んな様子を表します。「済済」は「サイサイ」とも読み、「多士済々」は「たしさいさい」とも読みます。
放送現場では「多士済々」の読み方は「たしせいせい」が優先されていますが、「済」の音読みである「サイ」と「セイ」のうち、「セイ」は表外読み(常用漢字表にない読み方)です。
日本語・漢字検索サイト「漢字ペディア」に掲載されている「済」がつく言葉のうち、「セイ」と読むものは、「済済(セイセイ)」「済済たる多士(セイセイたるタシ)」の他、「済美(セイビ)」のみです。
ちなみに「済美」とは
①子孫が、先祖のりっぱな業績を受けつぐこと。
②美徳をなし遂げること。出典元:セイビ|言葉|漢字ペディア
という意味です。「サイビ」とも読みます。
日常生活でよく見かける「経済」や「決済」「返済」「弁済」などの「済」がつく言葉は「済(サイ)」と読みます。
では「済し崩し」はなんと読む!?
「済」の音読みは「サイ」と「セイ」ですが、「済し崩し」の読み方は「さいしくずし」でも「せいしくずし」でもありません。
「済」の訓読みは「す(む)」「す(ます)」の他に、表外読みが4つあります。「済し崩し」はそのうちの1つの読み方です。
とはいえ、「○しくずし」という表現をどこかで聞いたことがある人は少なくないはずです。「済し崩し」とは
1 物事を少しずつかたづけていくこと。
2 物事を少しずつ変化させ、うやむやにしてしまうこと。
3 借金を少しずつ返すこと。出典元:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。例文には「済し崩しに努力する」や「新体制に済し崩し的に移行した」などがあげられます。
正解は……
「なしくずし」です。
「済」の表外読みの訓読みは「すく(う)・な(す)・わた(る)・わた(す)」があります。
参考文献:「多士済々」の読み方は? | ことば(放送用語) – 放送現場の疑問・視聴者の疑問 | NHK放送文化研究所
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