中学受験、都市伝説のような「帰国子女入試」に出願できる条件は? 一般入試とW受験する人が知っておきたいこと【連載#14】

2023.11.02 WORK

インフルエンザ予防接種をいち早く予約したまではいいが、いざ病院に行ったら「予約は先週でしたけどね」と言われたり、つい先週になって初めて「願書提出には顔写真が必要」という事実を知ったり、相変わらず情弱のモコです。ご無沙汰しております。

 

突然ですが、いよいよ帰国子女入試の本番が迫ってしました。2月1日の一般入試に先がけて年内からスタートします。

 

帰国子女入試とは、簡単いうと「小学校時代の何年かを海外で過ごした経験のある子どもを対象にした入試方式」です。早いところでは第一回目の試験が11月から始まり、1月いっぱいまで実施されています。よくある条件は「海外在留1年以上、帰国後2年以内」。当てはまる人も結構いるのではないかと思います。

 

帰国子女入試は受かりやすい、理科社会がないところが多いから楽。以前はそんなイメージもあったようですが、今はまったくそんなことないんです!(声を大) 勉強をあまりしなくても、英語さえできれば受かる、といった時代は過去の話。また学校によって受験資格の取り扱い方や、入試科目、配点基準がバラバラのため、私のような整理力に欠ける母親をパニックにさせる側面もしっかり備わっております。

 

今回はそんな現代の帰国子女入試についてお伝えします。

【連載・のほほん母さんとちゃっかり息子の中学受験@2024】第14話

 

帰国子女枠にも「英語を使わない」選択肢がある。それが最初の分岐点

海外から帰ってきた家族が帰国子女枠で中学受験をしようと決める際に、まず考えなくてはいけないのが、英語を武器にして受験するか英語を使わず4科目(もしくは2科目)で受験するかということ

 

というのも、案外と知られていないことですが、帰国子女みんなが英語が得意なわけではないのです。例えば英語圏ではない国に家族で駐在し、現地の日本人学校に通っていた子どもの中には、極端な話、日本語しか話せない子がいます。一方で、英語圏で過ごし現地の公立校でもまれて過ごした子どもは、たとえそれが1年の駐在期間であっても英語がペラペラになる場合があります。

 

どちらの子どもにも均等に受験の機会が得られるようにするため、ほとんどすべての学校の入試で「英語あり受験」と「英語なし受験」から選べるようになっているのです。

 

「英語なし」で受験をする人の多くは「2/1の一般試験」も受ける

今小学3年生や4年生のお子さんを持つ人で、「帰国子女枠では英語のみ、もしくは英語・算数・国語のみで受けて、本命は2/1の一般受験がいいかな」と考えている人、いませんか? それは子供にとってかなりの負担になるので、よーく戦略を練った方がいいです。

 

なぜなら、そのためには英語とその他4科目、合わせて5科目を勉強しなければならないから。普通の子どもが4科目でひいひい言っているのに、さらに5科目めを足すのは並大抵の努力では続けられません。(塾も当然2つ掛け持ちになります)

 

そういった面からも我が家の場合は、早々に英語を使った帰国子女入試は諦めました。

 

【息子が英語を使わない帰国子女入試に決めた理由】

・アメリカから帰国したのが3年生の終わり。3年間のブランクがある。

・英検準一級を持っているが、それでも上には上がゴロゴロいる。

・4科目の勉強と並行して、受験英語を学ぶ余力がない。

・帰国子女入試を行なっている学校は限られているので、一般受験もしたい。

 

東京ならではなのかわかりませんが、帰国子女って実はすごく多いです。にもかかわらず「行きたい学校は一般試験しか実施していないから」などといった理由でその権利を行使しない子どももとても多い。

 

男子御三家などは、帰国子女入試はしていないので、入学したいなら一般入試を受けるしかありません。なので、いざ入学してみると、少なくない数の生徒が「海外で暮らした経験がある」ということがるあるそうです。

 

英語を捨てても、帰国枠受験には「面接・作文対策」の負荷がかかってくる

そしていま、私と息子の目の前に立ちはだかっている大きな大きな壁がこちらです。面接アンド作文。日本語で受験することを決めたからといって、一般受験と同じ4科目だけを勉強していればいいというわけではありません。帰国子女枠受験の場合、いくつかの学校で試験科目になっている、面接と作文の対策が必要になってきます。しかもそのお題というのが、大人の私から見てもなかなかエグい……!

 

「あなたは住んでいた国で何を学びましたか?」「生活や文化において日本と違っていたことはなんですか」「住んでいた国ではどんなことに困って、それをどうやって乗り越えましたか?」といった現地での経験を問うものから、「今日はどうやってここまできましたか?」「好きな本はなんですか?その理由は?」「お正月はどのように過ごしましたか?」「この学校について知っていることはなんですか?」といった一般常識や社会性が問われるものまで多岐にわたります。

 

息子はその場で臨機応変に応えられるタイプではないので、事前にすべての想定質問に対する回答を考えておかないといけません。もちろん小6男子が自分で考えられるわけもなく、親と一緒に。

 

作文も同様です。上記のようなテーマが出されて、その場で書かなければいけません。息子に「てか、そもそも作文って書いたことあるの?」と聞いたところ「夏休みの読書感想文だけ。書き方のルールすら知らない」との返事。

 

そうなんです。内容以前に、句読点の付け方とか、改行の仕方、起承転結のある書き方、とかそういった文章作成のルールから覚えないといけないのです。

 

「大変だろうけど、みんなやってることなんだからコツコツやればいいのでは?」と思っている人がもしいらっしゃったら、泣きながら言わせてください。今現在息子のスケジュールは、今にも破裂しそうな風船ほどにパツパツ。平日は塾、帰宅後勉強、土曜日はほぼ模試、日曜日は朝から晩まで塾の集中特訓……。そんなスケジュールの中に、じっくり時間をかけて取り組みたい面接と作文対策を組み込まなくてはいけないのです。

 

息子よー。そろそろゲームの時間を放棄しませんかー。じゃないと間に合わないよー。(呼びかけ)

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