40代の社内恋愛。年下カレのお願いごととは…あなわた♯19

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おひとりさま40代の私の部署に、年下の男性が配属されてきた。 歓迎会に誘っても「そういうの迷惑なんですよね」と言い放つ、協調性のない若い男の子、高坂くん。 ところが、ひょんなことからお互い「犬が好き」なことに気づく。 女性と2人で出かけたことすらなかったピュアな高坂くんと、私の関係は、少しずつ変化し……。

 

ひみつにすること

 

結局その日、私は午後7時まで残業した。

そして、5時過ぎにさっさと仕事を終えていた高坂くんは、近くのカフェで私を待ってくれていた。

会社で待ってると言われたけれど、私がお願いして外に行ってもらった。

 

他の人たちもいる中で、

「一緒に帰りませんか?」

なんて言われたのは、相当気恥ずかしかった。

 

高坂くんは当然のような顔で私を誘ったけれど、周りの人たちはあっけにとられていた。

「何? ふたり、付き合ってるの?」

近くの席の沙奈が聞いてきたけれど、私はあいまいに笑ってごまかした。

勤務中なのだし、男と女のことで、社内を騒がせたくない。

だけど、そんな私を、高坂くんが怪訝な顔で見つめていた。

 

そしてカフェで会うなり、やはり聞かれた。

「会社では僕たちのこと、秘密ですか?」

「うーん」

言葉を選びながら、彼に伝えなければならなかった。

「みんなには特に知らせなくてもいいんじゃないかな」

 

呼吸を合わせること

 

「そんなもんですか

「そんなものよ。だって高坂くん、社内の誰が誰と付き合ってるかなんて、知ってる?」

「誰も知らないです。いるんですか?」

「実は何組もカップルはいるの。でもみんなあまり目立たないようにしてる」

「なんでですか? 社内恋愛が禁止なんですか」

「そんなんじゃないけど」

 

どうして彼は、こんなに食い下がってくるのだろう。

まるであえてみんなに知らせたがっているかのようだった。

 

「会社は仕事をするところでしょう? そこに、カップルがいたら、あまり嬉しく思わない人も、いるからかな」

「どうして嬉しくないんですか」

「うーん例えば、失恋したばかりの人や離婚した人もいて、あまり恋愛のことを考えたくないかもしれないし。配慮かな」

 

高坂くんは、納得がいかない顔をしていた。

「でも、柳沢さんと付き合っていた時は、公表してたんですよね?」

 

昔からの夢

 

私は驚いて彼を見た。

柳沢くんが私の元彼だということを、彼は知っている。

なぜだろう。誰かから聞いたのだろうか。

 

「カンですよ。なんだか隠したがってるし、そうなのかなって。やっぱりそうですよね」

高坂くんの少し不安そうな目を見て、私は気付いた。

彼は、多分、今度は俺が彼氏なんだ、と社内の人にアピールしたいのだ。

 

「あえて言いふらすことでもないと思うの」

あの頃は入社したてで、まだ周りの冷ややかな目に気づかなかった。

はしゃいで明るい笑い声を立てていたこともあるし、思い出すと顔から火が出そうになる。もう、ああいうはしゃいだ自分にはなりたくない。

でも、きっと、今の高坂くんは、あの頃の私と同じなのだろう。

 

「わかりました」

高坂くんは、本当はわかってなさそうな顔で、そう言った。

「すみません、僕は、何もわかってないんです」

「だいじょうぶ」

 

私はゆっくりと説明し始めた。

昔は社内で恋人と一緒にいたこともあったけれど、今はそういうことはしたくないということ。

だから、これからも、会社の中では普通にしていたいということ。

高坂くんは、真剣な顔で、聞いてくれたけれど、最後に口を挟んできた。

 

「僕、彼女ができたらずっとしてみたかったことがあるんですけど、かなえてもらえませんか?」

 

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【あなたのはじめてはわたしのひさしぶり19】

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