「やたつ」でも「やよいつ」ではありません。「弥立つ」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「弥立つ」です。
「弥立つ」の読み方は?
「弥」にはさまざまな読み方がありますが、常用漢字として認められているのは「弥生(やよい)」などでお馴染みの訓読み「や」だけです。とはいえ、「弥立つ」の読み方は「やたつ」ではありません。
「弥立つ」の意味を知ると、読み方が分かるかもしれません。
「弥立つ」は
恐怖または寒さのために、ぞっとしてからだの毛が立つ。
出典:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。例文には「身の毛が弥立つ怪談話」などがあげられます。
正解は……
「よだつ」です。
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「弥」の読みは
- 音読み(表外)ビ・ミ
- 訓読み や(表外)あまね(し)・ひさ(しい)・わた(る)・つくろ(う)・いよいよ・いや
で、元々「弥立つ(よだつ)」は「いよだつ」の音が変化したものです。
なお、「デジタル大辞泉」(小学館)によれば、「弥立つ(いやたつ)」と読むと「いっそうはっきりと決意する」を意味するとのこと。同じ漢字であっても読み方で意味が異なるというのは面白いですね。
「弥」という漢字には
①あまねし。ひろくゆきわたる。
②時を経る。ひきつづく。ひさしい。わたる。
③つくろう。とじつくろう。
④おさめる。やめる。
⑤いよいよ。ますます。いや。
⑥梵語(ボンゴ)の音訳に用いられる。出典:弥|漢字一字|漢字ペディア
という意味があります。
⑥の意味で「弥」が用いられる言葉には「弥陀(ミダ)」や「弥勒(ミロク)」などがあげられます。以下に記すこれらの意味からも分かる通り、「弥」は仏教に関連する漢字でもあります。
弥陀
「阿弥陀(アミダ)」の略。西方の極楽浄土にいて、いっさいの衆生(シュジョウ)を救うという仏。阿弥陀仏。阿弥陀如来。
出典:ミダ|言葉|漢字ペディア
弥勒菩薩
浄土の兜率天(トソツテン)に住み、釈迦(シャカ)の死後五六億七〇〇〇万年後にこの世に下って、衆生(シュジョウ)を導くという菩薩(ボサツ)。弥勒。弥勒仏。
出典:ミロク|言葉|漢字ペディア
そして面白いのが、「弥撒」という言葉です。調べてみると……
①ローマ-カトリック教会で、神をたたえ、罪のつぐないと神のめぐみを祈る儀式。
②「ミサ曲」の略。①のときに歌われる賛美歌。出典:ミサ|言葉|漢字ペディア
「弥撒」は「ミサ」と読みます。現代では一般的にカタカナで表記されますが、漢字で表す際には「弥」という漢字が用いられていたんですね。
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