言ったでしょ、不倫はあなたを幸せにしてくれないって。ご主人、気づいてるの?【不倫のその後】

2024.02.03 LOVE

軽い「関係」だからこそ

夏菜が簡単に「私は無理はしていなかった」と言えるのは、相手との関係をコントロールできると思いこんでいたからだ。「求められる自分」を見続ければ、多少のことではこの人は離れていかないという間違った自信が生まれる。だから男性から誘われても家族との時間を優先する自分を伝えられるし、「次」の確信も消えない。

 

だが、いくら夏菜に魅力があるとはいえ、自分とのつながりをないがしろにする様子を見れば、男性の気持ちが冷めていくのは当然なのだ。

 

「楽しかったんだけどね、私は。残念」

 

落としたトーンでそうつぶやく目の前の夏菜は、以前「この間も今からどうってLINEが来たんだけど、3日前に会ったばかりでちょっと早すぎるっていうか、あまり会いすぎても、ねえ」と家族で買い物に行くから無理と断った自分について、疑問を持っていなかった。そんな姿を見ながら、男性側に溜まっていくであろう不満と寂しさを想像すると、いずれ向こうから切られるだろうことは想像がついた。

 

「あまり軽んじないほうがいい」、一度も夏菜に伝えることはなかったが、不倫は「軽い」関係で、もともとあってはならないつながりだからこそ切りたくなれば簡単にできる。

 

特に喧嘩など衝突がないなら、「会う時間を作るのが大変」と不倫特有の理由を持ち出せば相手は納得せざるを得ないわけで、その裏にある相手の本音などは、知りようがない。うまくいっていると思っていたのは夏菜のほうだけで、実際は関係をコントロールされる側だと思い知った男性が何を考えていたか、この先もずっと夏菜はわからないままだ。

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