発達障害児と暮らす「健常児のきょうだい」は、たくましく育つ!?~長男編 ~【連載_東京こども4人育児日記 #6】
良い意味で遠慮がない「対等」な長男
長女と長男の年齢差は4歳。「オレ、長女ちゃんはいじめっコだから嫌いだよ!」なんて憎まれ口を叩くのに、なんだかんだ仲良しのふたり。
共通の友達とみんなで鬼ごっこをしたり、ゲームをしたり、きょうだいの中では長男長女のペアが一緒にいる時間がダントツに長いんです。
発達障害児と暮らすきょうだいは、親から注目をされずに育つから問題行動を起こす可能性が高いと言われることもありますが、今のところ長男にそういった傾向はありません。
ウ~ン……。なんでだろう、と考えた時にふと思ったことは、長男は長女に対して「理解」があるからなのかな、と。
というのも、小児精神保健科や療育の事業所で感じる、ちょっとした独特な雰囲気。
長女ちゃんを送迎する時なんかに、長男に「あの子はどうしてずっと耳をふさいでいるの?」「あの大きなお兄さんは、なんで上手にお話ができないの?」などなど、よーく聞かれました。
「ここは発達障害をもつ子ども達の場所なんだよ」と包み隠さず話すも、「ねえねえ(長女ちゃん)は、なんで行くの?」と。
重度と軽度の差があること、特性や症状など、まだ理解はしないだろうと思いつつも、私が知っている範囲での発達障害の知識を伝えていました。
少しの知識と理解があること。そして、きょうだい以外の発達障害児に会ったことは大きかったんじゃないかなぁ。だからこそ、長女ちゃんと対等でいられるのかも。
今後、長男の性格が荒れることもあるかもしれないけど、それは誰しもが通る成長過程のものであればいいな、と切に願っています……!
私と共に修羅場をくぐった戦友でもある
長女ちゃんがADHDと強迫性障害を抱え、生きづらさを感じ始めたのは小学校1年生の頃、長男は2歳。
食べるのが遅いといった切り替えの悪さをはじめ、ランドセルは誰にも触らせたくないというこだわりの強さから、学校の支度も不十分。遅刻が日常茶飯事でした。
私との衝突も多く、自分の思い通りにならないと「私なんていないほうがいいんだ!」と大泣きし、ハサミやドライバーを取り出したことも。
そんなことを毎日のように繰り返していたものだから、長男が4歳の頃になると、先回りして凶器を隠すように。
「自殺禁止です~。言っておくけどね、事故物件になったら大家さんが一番大変なんだからね」など、ブラックジョークを飛ばすように(笑)。
もちろん長女ちゃんは「ふざけんなー!!」と怒り飛ばすけれど、そんなことは何処吹く風。
「じゃあ、探してごらん! 絶対見つからないからね~」と、なぜか”ハサミ探す大会”が開催されたりも。
隠した長男本人もどこに隠したか忘れることも多々。何度も買い直して、忘れた頃にでてくるもんだから、我が家には大量のハサミがあります(笑)。
一緒に修羅場をくぐった分、私と長男はお互いの身の振り方や役割、自分の中での解消方法を学べていけたんじゃないかな。
子どもに助けてもらうなんて、頼りない母親だってことは百の承知! 彼には一生頭が上がらない分、これから先どんな反抗期が待っていようと、がっしり受け止めれるようにカラダを鍛えておきます(笑)。
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