会社を出てすぐホテルへ…「不倫社員」のレッテルを貼られた彼女がとった、驚きの行動とは(後編)
事実は隠せても…自分からは逃げられない
自分で被害者だと騒ぎながら、こちらが肯定しないとなると一気にテンションが下がるのがアサミで、「そうね」と返した後はどうでもいい世間話に話題は移り、通話は終わった。いつまでこんな電話が続くのだろうかと思いながらイヤホンを外すと、どっと疲れが押し寄せてきた。
不倫を後ろめたくないと思う人は確かに一定数いて、アサミもそのひとりだった。なぜ不倫に走ったのかは忘れたが、チャンスがあれば後先を考えずに飛び込んで後で後悔する、という人は本当に多い。厄介なのは、不倫が問題のある関係だと理屈ではわかっていても、その道に踏み込んだ自分を正当化する姿だった。
その男性との関係は終わっているが、もしまだ続いていたら、アサミは噂についてどう対処しただろうか。アサミの開き直りは「もう終わったこと」「迷惑をかけてない」にあるのを感じるが、不倫が進行中であれば、今と同じような「いつの間にか被害者」の立場をとるのは気持ち的に難しくなるだろう。
第三者を挟めば不倫は絶対に否定せねばならず、自分のしてきたことに嘘をつき続けるのもまた、通常の精神であれば苦痛が避けられない。事実は隠せても、こうやって不倫から新しい問題が生まれたのも確かであって、「その自分」からは逃げられないのだ。
自分がしたことは自分に返る。誰に言うでもなくそうつぶやいてから、スマートフォンをテーブルに置いた。
▶▶そもそもこれが原因なのでは…彼女が最初に「やらかした」こととは
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