朝に起きられない日が続き、55歳で退職。今度は両親と夫の体調が悪くなり……【100人の更年期#102】後編

朝起きられず半休を繰り返し55歳で退職

45歳から始まったホットフラッシュを機に、めまいや寝不足などに悩まされながらも、できるだけ仕事に穴をあけないよう頑張ってきましたが、ついに半休を取るようになってしまいました。朝、まったく起きられなくなったのです。

 

たまに病気で半休を取るなら仕方ないことですが、私は月に何回も繰り返していたため、次第に肩身が狭くなっていきました。それでも私は、「チームリーダーという立場上、周りに弱いところを見せてはいけない」と自分に言い聞かせて仕事を続けました。でもやはり、体と心の悲鳴には逆らえませんでした。私は、定年を待たずに55歳で退職しました。

 

「休職でもよかったのでは?」と思われた方もいらっしゃると思います。私も、休職することは考えました。でも、いつ復帰できるか分からないですし、復帰して管理職に昇進したらますます休めなくなるので、退職を選びました……と言うと聞こえはいいですが、本当は当時の私は、休職の間にキャリアで周りと差が付くことを受け入れられなかったんです。

 

いま思うと、職場でつらいと感じたときは、周りにつらいというべきでした。チームリーダーで、さらに上の職を目指していた私は、とにかく弱みを見せてはいけないと思っていました。でも、つらいときはつらいいとはっきり言って、周りのサポートを得てもよかったんじゃないかといまは思います。仕事も、役職や正規職員にこだわらなければ、退職せずに続ける選択肢もあったでしょう。

 

退職してしばらくは、テレビに自分の仕事関連の情報が出てくると気になったり、「私ならこうするのに」と思ったりしていました。いまはもう、切り離せるようになりましたが。きっと休職して復帰しても体調はよくならなかったでしょうし、管理職になったらますます休めなくなるので、結果としてはこれでよかったと思います。

 

 

退職して休む時間ができたのに、今度は親の介護が始まり……

退職をして「これでやっと体を休められる」「睡眠時間が確保できる」と思いながら過ごしていたのも束の間。今度は両親二人の体調が悪くなり、介護が始まりました。基本的にはケアマネジャーさんが面倒をみてくださいますが、私が動かなければいけない手続きなども多く、「これは会社勤めしながらだと大変だな」と思いました。その点では、退職は私にとってはいいタイミングでした。

 

現在、私は専業主婦をしながら、HRT(ホルモン補充療法)をしています。HRTは退職後から始め、定期的に検査をしながら3年くらい続けています。HRTを始めてからは、ホットフラッシュやめまいはほとんど感じなくなりました。

 

 

2歳年下の穏やかな夫が怒りっぽくなった。もしかして更年期?

私の体調が落ち着きはじめたころ、2歳年下の夫の様子に変化を感じ始めました。気に入らないことがあるとすぐ怒るようになったんです。それまでとても穏やかな性格の人だったので、最初は本当にびっくりしました。最近は少し落ち着きましたが、入れ替わるように、今度は肌の乾燥がひどくなり、いつもボリボリと皮膚をかくようになりました。夫は管理職なので仕事の責任やストレスは大きいと想像しますが、男性にも更年期の体の変化があると聞くので、もしかすると関係しているかもしれないと思いました。

 

50代は、更年期でありながら職場では重責を担う人が多く、さらに親の介護も重なってくる大変な年代だと、いま痛感しています。

 

 

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