平安時代の貴族、「愛をコクるとき」にはどうしていた?意外なキューピッド役とは【大河ドラマ『光る君へ』#9】
*TOP画像/まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑) 大河ドラマ「光る君へ」9回(3月3日放送)より(C)NHK
大河ドラマ『光る君へ』では、毎熊克哉さんが演じる直秀が道長(柄本佑)とまひろ(吉高由里子)の“恋のキューピット”のような存在であるとSNSを中心に話題になっています。
平安時代には男女の恋仲を取り持つ直秀のような存在はいたのでしょうか。
つづき>>>平安時代に「罪を犯したら」どうなったのか?人権以前の時代に人々が恐れたものとは【大河ドラマ『光る君へ』#9】
「家のための結婚」が主流の時代だが…恋愛結婚の「惹かれ合う男女」も実際にいた!
平安時代における結婚は現代における結婚とは考え方や目的が大きく異なります。当時は個人の恋愛感情ではなく、家のために結婚するのが一般的でした。男性は結婚相手に対して実家の経済力を重視しており、いわゆる逆玉婚を目指していました。貴族が出世するには主君への献上が必要となるため、その後盾を妻に求めたのです。当時の貴族の女性にとって美貌や和歌などの芸事と同じくらい、父親の位の高さが重要でした。
特に、天皇にも近い上級以上の貴族の女性については、結婚における本人の意思決定権は皆無に等しいと言えます。娘には天皇に入内し、天皇との間に子を授かり、父の地位を高めるという役割があったためです。『光る君へ』において吉田洋さんが演じる藤原詮子はまさにそうした女性。
また、天皇は自分好みの女性を傍に置いていたというわけではありません。天皇は入内した女性を彼女たちの父親の地位にしたがって扱わなければならず、個人的な恋愛感情のみで性行為をしたり、優遇したりしていたわけではありません。当時の天皇はワガママも寛容に受け入れてもらえる傾向にあったため、自分好みの女性ばかりを傍に置いておくという選択もできたはず。しかし、このようなことをしていたら、一族の秩序は瞬く間に崩壊し、ライバルに地位を奪われるでしょう。
とはいえ、人間は時代を問わず異性にときめく生き物です。平安時代の人たちも恋愛に関心を抱いており、好みの異性像がそれぞれにありました。『源氏物語』の「雨夜の品定め」は男たちが理想の女性像について語り合う有名なシーンです。また、中宮定子に仕える女房が『うつひ物語』に登場する涼と仲忠のどちらがよい男か議論していたと伝えられているように、女性たちも女子トークに花を咲かせていました。
貴族たちが好みの異性の話で盛り上がっていたというエピソードには、現代の私たちがアイドルグループの好きなメンバーについて語り合う姿や、クラスのイケメンツートップのどちらがタイプか話し合う姿と重ねてしまいますよね。
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